10/12/2016

19世紀の人形作り





10時間かけて焼き上げた頭二つが夜の間に冷めたものを、
今朝、窯より取り出しました。

 綺麗に焼き上がっているのを見て、まずは一安心。
本焼きは縮みが大きく、少しの傷でも割れてしまうので。

取り出した頭には早速肌色をかけて、また窯に入れ、
落ち着いた気持ちで、新しく出来上がる子のイメージを
あれこれ本を見ながら繋ぎ合わせていました。









 19世紀後半にビスクドールが発祥した頃は、
工場での分業により、一体の人形が出来上がっていました。

下の画像は、人形の睫毛を描いているところ。
注目するのは右ひじを置く台!
極細の筆で球体に睫毛を描くのは、今でも緊張しますが 
こうやって台で固定すると、筆先が安定しますよね。
昔はこんなふうに、ズラッと並んで作業していたのか・・・
しかも、日に何十個、いや、何百個?
目が相当疲れたことでしょう。

私は、せいぜい一日に二個しか描けません。
それ以上やると、どうしても雑になってしまうのです。


この右ひじを固定させるやり方は、編み物の時は私もしてしまう。
大き目のクッションを脇に挟んだりして。









 他のページには、胴体のパーツを作る人、カツラを作る人、
靴作りに洋服作り、仕上げに着せる人など、
工場らしく細かく部署が分かれているのを、写真や絵で見ることが出来ます。
そういったことを、今の時代は一人でやるわけですが、
技術が多岐に分かれていることが、人形作りの魅力の大きなひとつ。
飽きることがないのですから!