3/30/2010

春一番のワンピース



先日、娘が美容院に出かけ、綺麗にカットしてもらって帰りました。
せっかくなので、入学式に着るワンピースで記念写真を。



ボレロ風の上着の付くこのワンピース、
百貨店で探し出すのに、苦労しました!

最近の大学の入学式は、
黒のスーツがほぼ決まり事のようになっているそう。

「えっ!まるでリクルートやん!」

せっかくの晴れの日に、何故そうなっているのでしょう?
しかも、皆同じというのがそもそも気に入らない。
私は、清潔感のある、軽やかなワンピースを想像していたのに・・・。

百貨店で聞いても、そういう風潮だそうで、
娘も、皆そうなら私も黒のスーツで・・・などと言います。

黒でもせめて、華やかで可愛らしく、後々着まわしのきくものを!
探してやっと見つけた、このワンピース。
シンプルだけど、シルエットがオードリー・ヘプバーンを思わせ
立ち上がると、スカートがふんわり。
試着した娘が、なんだか輝いて見えました。

そうそう、これっ!こういうの!

小うるさい母と祖母の合格印をもらって、
娘のクローゼットにおさまったワンピーススーツ。
これなら(体型の変わらない限り)これから
フォーマルでも、演奏する時でも活躍の場がありそうです。

昨日、晴れて運転免許も取得した娘。
明日はいよいよ入学式! 





シモン・ハルビッグのお問い合わせ


↑シモンのモヘアウィッグの色・・・A


A

↑ウィッグカラー B

↑B


↑ウィッグカラー C



衣装のレース部分は、アンティーク使用のため、特有の変色はあります。
これは、人形の雰囲気を壊すものではありません。


後ろ姿


3/29/2010

赤毛



市松人形の着物と並行して、ブリュを作り始めました。

このブリュは、初めて焼くタイプ。
目がフラットなので、
なかなか焼きあがっても合う目が無くて、
今頃の着手となりました。

ウィッグの色は、個性的なものが似合いそう・・・と、
いろいろ合わせた結果、
これもまた、初めて使うワイン系の赤毛に決定。

どんな衣装にしようか、これから人形と相談しながら
作業を進めて行きましょう!


それにしても・・・春とはいえ、寒い!!
桜も咲きほころんでいるのに、何!? この寒さは!
未だ、湯たんぽが無いと眠れません(涙)。
金曜日には、娘の入学式。
桜の見ごろも、金曜日ということ。

暖かくなるといいなぁ・・・。

3/25/2010

京都市美術館コレクション展「花から花へ 交感のかたち」展

このポスターを見た瞬間から、
どうしてもこの絵に会いたくなり、出かけて来ました。

場所は、京都市美術館。
昭和8年に建てられたこの美術館は、
エントランスの左右に分かれる階段や、
古めかしいお手洗いの風情などがまさにレトロで、
好きな場所の一つです。

入り口から会場に踏み入れたところから見渡せた遠くの別室の扉が
ちょうど額縁のような格好となる位置に、
この絵は掛けられていました。

う~ん、なんて効果的な演出・・・!

秋野不矩 「紅裳」

実際のものは、もっとこっくりとした良い色です。

着物の小花の柄、腰のあたりでうねる縞柄、
物憂げな娘達の艶やかさが何ともいえず・・・。

あぁ、私にもこんな頃、あったのかなぁ・・・。
あったんだろうねぇ・・・。

もう戻らない月日に微かな胸の痛みを感じながら、
見入っていました。

だからこそ、今を大切に生きなきゃ!と、改めて思うのです。


美術館横の喫茶店の窓越しの桜。
久しぶりの青空に映えて、清々しい景色でした。
この少し前は、京都は雹(ひょう)が降ったのですよ!


3/23/2010

絵付けのお誘い




Aさんとのお付き合いは、もうかれこれ10年程になります。
お料理やテーブルコーディネイト、トールペイント、
そしてこの素晴らしいチャイナペイント・・・
もう、マルチな才能をお持ち。
おまけに、とても気さくでウルトラ楽しい方なのです!

そんなAさんのお宅に、母と友人Sちゃんと3人で
九谷焼き風絵付けを習いに呼んでいただきました。


お部屋の中は、Aさんの素敵な作品でいっぱいなのです。


もう、「これでもかっ!」というくらい惜しげなくあります。


ライティングビューローの中には、小さな手鏡がぎっしり・・・
文字通り、ぎっしり!。


これはもう、女の子の夢としか言いようがありません・・・。
ひとつひとつが、丁寧に描かれた宝物たち。

どこを見ても、Aさんのこだわりがいっぱいで、
もっとゆっくりじっくり見たかったです・・・
う~ん、まる1日かかりそう。え?もっとかかるかしら?


そしてお忙しいのに、
私達のために、美味しいランチをご用意下さいました。


貝柱と苺、オレンジをドレッシングで軽くマリネした
爽やかな前菜。
ぺろりっ


人参のポタージュ
ゴクンッ


焼き立てのフォカッチャとポモドーロ
パクパクパクパク・・・


メインのお肉は初めて味わうブラックオリーブのソースに感激!
ムシャムシャムシャ・・・
あぁ、幸せ・・・。



そしてこれが、今日教えていただいた絵付けの第一段階。
黒で輪郭を描いていくのですが、結構難しい!
次回は、色をさしていきます。


それにしても、たくさんしゃべって大笑いして・・・
Aさんとお会いすると、いつも本当にストレス解消になります。
私達の話をウンウンと聞きつつ、
適所に鋭くツッコミと的確なアドバイスを挟む鮮やかさ!
あれほどの技を持つ人には、未だお会いしたことが無いのです。

帰り道、何から何までもおもてなしに
すっかり癒されている自分に
祖母が退院して気持ちは落ち着いたけど、
実はやっぱりまだ、随分疲れていたんだなぁ~と実感。

Aさん、本当にお心遣いの一日、ありがとうございました!
明日への活力となりました!


3/22/2010

うれしいこと、あれこれ



ネットを通じての
(そして昨春は、はるばる福岡から展覧会に来て下さった)
お友達のNさんから、メールをいただいて、驚愕!

なんでも、先日発売された人形の本を予約されたところ、
予約がとても多く、手に入るかどうか分からない状況ということだったそう。

amazonのサイト
予約受付中から取り扱い不可能となっているのを発見した時、
てっきり出版社が倒産したのでは・・・と
少々暗い気持ちになっていたのです。
そうじゃなかったと知り、安心。
増刷して、たくさんの人が見て下さればいいのですが・・・。



そして、本を見て下さった方々から、嬉しいメールをいくつかいただきました。
お知り合いの方も、初めての方も、本当にありがとうございます。

その中の横浜在住のジャスミンさんが、ブログにご紹介下さりました。
お人形をお好きな方は、皆さん優しい方が多いですね、
有り難いです。




先日の午後、W氏からお電話。
久しぶりに、いろいろお話させていただきました。

幸田文さんや青木玉さんの本のこと、
芹川英子さんのこと・・・
祖母のことも一段落着いた最近、
好きなことについて楽しく会話させていただくのはもちろん、
博識なW氏のお話は、得るところがたくさんあります。
最近は、落ち着いて読書する余裕がまた出てきましたので、
刺激を受けた後、図書館にまたひとっ走り!




昨夜、娘の卒業演奏会がありました。
娘の通っていた公立高校は、少々特殊な学校で、
一学年が1クラス40人。
学校全体でも3クラス120人の、家族のような学校。
歴史も古く、ここから数多くの音楽家が世界に巣立って行きました。

そんな中で、どうやって3年間やってきたかと思うくらい
のんびりした子だったのですが、
学校はとにかく大好きで、遠い道のりを日々通っていました。

本当に、ピアノのことでは辛いことがたくさんあって、
それでもたくさんの良い友達の中で謳歌した月日を思うと、
セレモニーでは涙がこみ上げるのを堪えることが出来ませんでした。

心から、卒業おめでとう!

けれど、家族の中で誰よりも先に涙を見せたのは、
実はパートナーです(笑)。
突っ込むと、「目が痒かったんだよ。」ということですが、
まあ、そういうことにしておきましょうか!


画像は、めでたく卒業した娘(長崎・孔子廟にて)。


3/20/2010

クリスマス・ローズ



突然、春を通り越したくらいの陽気。
おまけに春の嵐か、吹き荒れる風!

チューリップや水仙、ヒヤシンスなどの球根達は、
ここ数日でぐんと大きくなりました。
ご近所の桜も、ちらほら。

それを待たずに、まず咲き誇るのは、ユキヤナギ。



クリスマスローズも、たくさんの花をつけました。

庭では折角咲いているのに、俯いてばかりいます。



切り花にして部屋に飾ると、いつまでも咲き続けてくれる、ありがたい花。


祖母は、なんと再び歩き始めました!
これも自然の驚異か!?と、家族皆オドロキです。
退院した直後は、表情が硬かったのですが、
この頃は以前のように、
笑顔の可愛らしい、優しい祖母に戻りました。

心にも、春です。


3/17/2010

着物の裁断




久しぶりに、市松人形の着物の裁断をしていました。
この裁断、人形といえども侮れません。
表布の柄取りがまず悩むところ。
古布を使いますが、柄は大抵大きいので、
人形サイズに違和感の無いように、選びます。

そして、表・八掛・襦袢・襦袢裏・など、
袖は3組重ねるので、片袖だけでも6枚の裁断。
また、縮緬をはじめとする絹地は、しるし付けも地が動いてやりにくい。
そして、ほぼ人間と同じように仕立てて行きます。
綿を入れ、ふきをたっぷり取ったり、これも難しい。
(ちなみに、ここで入れる綿も、古い綿を使います。
すると不思議に、古いもの同士の布と綿がよく馴染むのです。)

溜息をつきながらも、今まで結構な数を縫いました。
やっぱり古い縮緬は
触れているだけで優しい気持ちになりますから。
 
上の画像は、過去に縫ったもの。
お店で着物を半身、分けていただいたものです。
それでも、一着しか作れません。
人形のおべべは、本当に贅沢ですね・・・。


これは、パートナーのお母さんが金沢から送ってくれた
古布で縫ったもの。


着せるとこんな感じです。


そして、今日裁断していたのはこの布。
悩みすぎて、重ねの布まで裁断出来ませんでした。


これを着る予定の人形は、初めて作るもので、
まだ焼きが一回残っています。
窯入れは心が落ち着かないと出来ない作業。
なので、来週あたりから、またコツコツ焼き始めます。

3/16/2010

お知らせ


私事(いや、いつもそうなのだけど)ですが、
ART BOX Vol.7 「現代日本の人形作家100人」という本に
人形3体を掲載いただきました。

先日届きましたが、
ビスクだけでなく、いろんな分野の人形をたくさん見ることが出来、
人形がお好きな方には、なかなか楽しい本です。

そして、大変分厚い綺麗な本なのに、リーズナブル!
Amazonなどのオンライン書店や全国書店などの販売の他、
美術館や学校図書館などにも配本されるそうです。

機会があれば、立ち読みして下さいませ。

分野は少し違いますが、
敬愛する芹川英子さんのお人形もあり、
一緒の本に載せていただくなんて・・・とおこがましい気持ちです。


一雨過ぎて、庭の草花の更なる成長を目にし、
今日もまた頑張ろう!と思います。




3/14/2010

美しさとは・・・

 ・・・今更ですが

人の美しさに心を動かされる時、
それは見た目や 着ているものの豪華さではなく、
その人の所作に惹かれるのではないかな、と思います。

いくら見た目に美しく着飾っていても、
それが所作に表れていなくては、魅力は半減してしまいます。

所作の美しさ、殊に心配りに溢れたそれを目にした時、深く感じ入るのは、
その人の心の佇まいが映し出されるからではないでしょうか・・・。

最近、そういうことをよく思います。

そして
そういう心を持つには、
まずはこの荒れた部屋を掃除せねばと思うのです(恥)。
「忙しい!」というのを理由にしてはいけませんね。



ところで、先日図書館から借りて来た本は、
どれもなかなか面白いものばかりでしたが、
久しぶりに、
手元にずっと置いておきたいと思える特別な本に出会いました。

幸田文の「きもの」という長編小説です。


学校から帰って袴をぬぐと、同時に割烹着をつけた。
母の着ていたものである。
一つは白で、これは既製品を買ったもの。
あとの二つは手製の紺絣だった。
中略
白はきれいすぎて、手置きが面倒くさかった。
あまりに汚れに弱い。
紺絣はそこが強い。
地の黒い部分は、汚れをさりげなくかばうが、
絣の白い部分はどれだけ汚れたかをかくしはしない。
不潔にならない程度に汚れを沈めてみせる、紺絣の強さを
るつ子は知った。

幸田文 「きもの」より

地味な紺絣の割烹着について書かれた部分ですが、
その表現の美しさに、何度も読み返してしまった
私の一番好きなくだりです。


この小さな文庫本に溢れる、色彩や布の感触、衣擦れの音・・・
そして、
文学ならではの、3姉妹が登場しますが、
私が一番カッコイイ!とシビれたのは、3姉妹を見守るおばあさん。
こんなおばあさんになりたいものだと、心底思うのです。

このおばあさんは、裕福ではありませんが、
とにかくとても粋な人です。
その台詞だけで、所作の美しさも感じ取ることが出来ます。


読了記録
「きもの」 幸田 文 (図書館の本)


3/12/2010

オリジナル


やっと、新しい人形に取りかかりました。
久しぶりにオリジナルです。

今日はウィッグを選び、雰囲気を見ています。
これくらい大きな人形になると、プロの作ったウィッグを。
フランス製の人毛です。

古い袴を解いて作ったハンチングをかぶせてみました。



こちらは、リボンの騎士風。
実は、娘の小学校低学年の時の制帽をこわして
ベースに使っています。

この子には、上のハンチングのようなあっさりしたタイプが
引き立つような・・・。



先日、皮膚科の先生から
「あなたは、一生皮膚科の薬と上手く付き合っていかなくてはならないから、
ヨガとか、自律神経を高める運動をした方がいいわね。」
とアドバイスいただき、以前から興味のあったピラティスを始めました。

DVDがあるので、夕方に30分やるのですが、
これが結構心地良いのです。

レベル1からはじめて、今はレベル2。
数日前に出来なかったことを、いつのまにかマスターしていたり、
ゆっくりのペースですが、身体に無理なく楽しい時間です。
毎日の生活に、メリハリを付けて過ごすためにも、
長く続けていかなければ!


読了記録
わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい 鴨居羊子 
(図書館の本)

画家・鴨居玲の姉でもある、鴨居羊子の自伝。




3/08/2010

長崎へ そして・・・








グラバー園の中の建物の一つ。
花木に囲まれ、海を臨みつつ建っていました。

こじんまりとしながらも、春の喜びを謳歌するかのような風情が、
ただただ愛らしい。

きっとこの家の中には、
たくさんの幸せの歴史が積み重ねられたのでしょう・・・。



現実の今日は、
午前中にセラフィンを獣医さんに連れて行く予定だったので、
朝一番にまず図書館へ。

先日、祖母に昔の着物の本を見せてみたところ、
予想以上の興味津々ぶり!
10分後には、見たものを忘れてしまうという、
祖母の習性?をいいことに、
毎日同じ本を一緒に見ていましたが、流石に感動も薄れて来た様子。
違う着物の本を図書館に予約を入れ、受取に行って来ました。

ところが!

用意してあるはずの本が受付に無く、職員さん達が総出で探して下さいました。
その様子はもう、
あっちの箱をひっくり返したり、
こっちの本の山に雪崩れを起こしたりの大騒ぎ・・・!

途中、あまりの申し訳なさに、
「もう、いいです!明日来ます!」とお伝えしたのですが、
いえいえ・・・と頑張って探して下さり、やっと見つかった時は歓声が!

重ね重ねお礼を言う私に、
「いや~、なんか職員の方にスイッチが入ってしまって・・・」
と爽やかな笑顔が返って来ました。

帰り道、
エコバッグに入ったこの本が、なんだかとても温かく感じて、
嬉しい気分でいっぱいでした。
この温かさも、きっと祖母に届いたでしょうか・・・。

お陰さまで、祖母は明日退院の運びとなりました。
この一ヶ月、長かった!
ちょうど母と私の身体の疲れも溜まっていたところ。
けれどこの日々が、不思議と楽しく、愛しくもあったのです。

明日以降少しずつ、またいつもの日常に戻って行くでしょうが、
祖母に対する気持ちは、前よりずっと近くなったのでした。





3/07/2010

長崎へ 窓越しの風景


グラバー園で出会った、たくさんの窓や扉越しの風景。

額縁のようにトリミングされ、浮き上がる景色は
はっとする美しさでした・・・。









季節が巡るたび変わりゆく、自然の絵画のよう。
こんな景色に触れると、なぜかいつも胸がいっぱいになって、
泣きそうな気持ちになります。