1/09/2020

プラテーロとわたし




 誕生日にもらった詩画集です。「プラテーロとわたし」。

ノーベル文学賞を受賞したスペインの詩人ヒメネスの詩を
メゾソプラノの波多野睦美さんが訳したもの。
それぞれの詩に合わせた銅版画は山本容子さんが。

 事前に図書館で借りてみて、気に入ったんだとパートナー。





タイトルにあるプラテーロとは、ヒメネスのロバの名前。

ロバというのはなんとなく、
伏目がちで寂しい、道化のようなイメージが・・・。
もちろん、そこには純真さもあります。
ヒメネスにとってのプラテーロは、ロバというよりも同志のよう。
こよなく愛していたことが、詩にあふれています。



 故郷での静養中に、いつもプラテーロの背に乗っていたのだそう。
そんな様子が、贅沢に28の銅版画で表されていました。













こちらは「結核の娘」 という詩と、添えられた銅版画。↓

詩の中に、よく登場するアイリスは、きっとお気に入りの花だったのでしょう。
最後にプラテーロが毒にあたって死んでしまうシーンでも、
その墓の上あるのは黄色いアイリスでした。












プラテーロが愛犬に重なるのですよね。ペットがいる人ならそうでしょうが。
だから、いっそういとおしくなる。


山本容子さんの作品、好きです。
この詩集の色彩も温かみがあり、いい感じ。
 自分で選ぶ本も楽しいですが、もらった本というのはいつも興味深い。
いろいろ発見があります。