この春、亡くなられた舟越桂。
ちょうど展覧会の最中だったため、訃報は後で知りました。
ショックだった・・・。
2008年に旧朝香宮邸で開かれた展覧会の写真が収められた
「夏の邸宅」という作品集があるのですが、
いつどの頁を捲っても
その圧倒的な彫像と背景に胸がざわつきます。
それはもう、苦しいくらいに。
15年前に初めてこれを見た時よりも
今の方が更に胸に迫るのは、いったい何故だろう・・・。
人間に似ているけれど、人間でないもの。
頭がふたつあったり、背中から翼のような手が出ていたり
両性具有であったり(これは、そういう人もいますね)。
とても好き嫌いの分かれるものだとは思いますが、
それを超越した何かがあります。
どれも、この建築物と素晴らしく調和していて
配置を決めるときなどに、きっと作品の新たな貌があらわれ
作家もドキドキしたのではないかな、などと想像。
最後の晩餐を連想してしまう、女性と背景。
腹部をふくらませたことは、赤ん坊がいると想定したわけでは無かったと
過去のインタビューで見たことがありましたが
なんとなく、イエズス・キリストを宿したマリアに思えます。
生前に予定されていて、作家自身も楽しみにしていた展覧会が
なんと箱根の彫刻の森美術館で開かれていると知り、
ここ数日、居ても立っても居られない気分に・・・。
私はまだ、実際に舟越桂の作品の前に立ったことがありません。
想像するだけで怖い。
それくらい自分にとって強烈なもの。
でも、この目で見たい。
心が高ぶっています・・・。