市松人形作家の寺沢京秀先生のところに弟子入りする!と決めた時、
先生のお人形を見て、母が「いつか一体欲しい。」と目を細めました。
なら、どんな子がいい?といろいろと見ているうちに、
「この子がいい!」と意見が一致した子。
でももちろん、もうどこかのお家にお嫁入りしていると思っていたのです。
だってこんなに可愛いのだから・・・
初めてのお稽古の日、思い切ってお聞きしてみると
「まだいるよ。」とのお返事!
なんとまあ!こんなことって・・・!?
昨年春の展覧会のDMにもなったというこの子、
それがコロナで中止となり、先生のお宅でお披露目待ちだったようです。
すぐに見せていただき、「母にも見せたいのですが・・・」と、
改めて今日お伺いしてきたのでした。
我が家はコレクターではないので、お人形を買うということはまずありません。
持っているのは藤田嗣治所有だったアンティークドール二体のみ。
現代の作家さんのお人形は、初めてです。
そして私も初めて、「人形を迎えに行く」というワクワク感を味わったのでした。
先生のお宅で対面したこの子。
母にはきっと、私の勉強の為に・・・という気持ちがあったのだと思います。
けれど実際にこの子を見て、
それだけではない気持ちが母の中に沸き上がっているのを感じました。
やっぱり、人形ってすごい力を持っている。
15号・約50センチの女の子。
とっても福々しくて、この子は我が家に福をもたらしてくれるに違いない。
・・・いや、今でも十分に幸せですが。
だとすると、この子を目にするたび心が優しくなれるのが、また幸せかな。
それはそれで、なんて素晴らしいこと。
名前はまだ決まっていません。
これから皆でじっくりと考えます。
我が家に人形がやってきたという、とても嬉しい一日。
そして、このようなお顔を生み出される先生に教えを請えることを
とてもラッキーに思います。