年に一度、父が亡くなったこの季節に、伯母がごはんに連れて行ってくれます。
ちょうど今年で五回目。
そして今回は新地でおでんということで、娘もパートナーも一緒に。
有難いことです・・・。
待ち合わせた淀屋橋から、お店までタクシー。
「五人やから二台で行くで!あんたらはこれ持って、最初に来たタクシーに乗り!」
と、このようなものを手渡されました。
「おおっ!」
往復のタクシー代金二千円と、行先を記したメモ用紙。
のっけから、伯母らしさをが炸裂しています。
来る前に準備してくれた心遣いを感じつつも、
やっぱり、ただ者ではない・・・と思い知らされるのです。
到着したのは、長樂というお店。
落ち着いた、大変雰囲気の良いところでした。
靴を脱いで上がり、掘りごたつのようなカウンターでいただきます。
メニューには、一切値段が表記されていない・・・。
でも心配は要りませんでした。
伯母のはからいで、いろんなものが、どんどん運ばれてきます。
白子の上には、柿と銀杏の葉が。
画像を撮り忘れたものが多くて。
けれどこれはすごく美味しかった!
三つの内、ひとつ食べてしまった後ですが、鯨の舌なのです。
鯨と言えば、子供の頃のおでんには必ず入っていました。
もちろん、このような高級な部位ではありませんが。
庶民の味方の食べ物だったのに、今はすっかりご無沙汰です。
玉子は黄身だけが生のままに、絶妙に調理されています。
こちらのおでんは、どれもとても上品な味わい。
途中こんな牡蠣フライなども・・・
大好きなんです。
添えられたポテトサラダやタルタルソースも美味でした。
〆はすき焼き。
一人ずつ、作って下さいます。
お肉はもちろんだけれども、
これに入っていた玉ねぎが美味しかったなぁ・・・。
パートナー曰く、伯母は「別世界の人」。
私も他人だったらそう思うかも。
けれど、小さなころから子ども心に「すごい人」と思っていました。
仕事一筋の人生に区切りを付けてからは、
伯母の印象は「やわらかな人」に変わりました。
「何かあったら、おばちゃんに相談するんやで。」とは、父が亡くなる前の言葉。
父の死後には対人関係で悲しいことがそれなりにあり、
世間知らずだった私もいろいろと教えられました。
けれど、伯母はそのまま。いつも変わりません。
むしろ、亡くなった父の分まで・・・と思ってくれているのかな。
おでんの優しい味わいのように、今年も心に染み入りました。
毎回願うのは、いつまでも元気でいて欲しいということ。
痛快な話を、また聞かせて下さいね。
楽しい夜でした。