11/25/2018

新地でおでん



 年に一度、父が亡くなったこの季節に、伯母がごはんに連れて行ってくれます。
ちょうど今年で五回目。

そして今回は新地でおでんということで、娘もパートナーも一緒に。
有難いことです・・・。

待ち合わせた淀屋橋から、お店までタクシー。 

「五人やから二台で行くで!あんたらはこれ持って、最初に来たタクシーに乗り!」
と、このようなものを手渡されました。

 「おおっ!」

往復のタクシー代金二千円と、行先を記したメモ用紙。
のっけから、伯母らしさをが炸裂しています。

来る前に準備してくれた心遣いを感じつつも、
やっぱり、ただ者ではない・・・と思い知らされるのです。







到着したのは、長樂というお店。 
落ち着いた、大変雰囲気の良いところでした。





 靴を脱いで上がり、掘りごたつのようなカウンターでいただきます。





 メニューには、一切値段が表記されていない・・・。

 でも心配は要りませんでした。
伯母のはからいで、いろんなものが、どんどん運ばれてきます。
白子の上には、柿と銀杏の葉が。







画像を撮り忘れたものが多くて。

けれどこれはすごく美味しかった!
三つの内、ひとつ食べてしまった後ですが、鯨の舌なのです。

鯨と言えば、子供の頃のおでんには必ず入っていました。
もちろん、このような高級な部位ではありませんが。
庶民の味方の食べ物だったのに、今はすっかりご無沙汰です。






 玉子は黄身だけが生のままに、絶妙に調理されています。
こちらのおでんは、どれもとても上品な味わい。





 途中こんな牡蠣フライなども・・・
大好きなんです。 
添えられたポテトサラダやタルタルソースも美味でした。






 〆はすき焼き。
一人ずつ、作って下さいます。
お肉はもちろんだけれども、
これに入っていた玉ねぎが美味しかったなぁ・・・。






 パートナー曰く、伯母は「別世界の人」。
私も他人だったらそう思うかも。
けれど、小さなころから子ども心に「すごい人」と思っていました。

仕事一筋の人生に区切りを付けてからは、
伯母の印象は「やわらかな人」に変わりました。

「何かあったら、おばちゃんに相談するんやで。」とは、父が亡くなる前の言葉。

父の死後には対人関係で悲しいことがそれなりにあり、
世間知らずだった私もいろいろと教えられました。

けれど、伯母はそのまま。いつも変わりません。
むしろ、亡くなった父の分まで・・・と思ってくれているのかな。

おでんの優しい味わいのように、今年も心に染み入りました。




毎回願うのは、いつまでも元気でいて欲しいということ。
痛快な話を、また聞かせて下さいね。

楽しい夜でした。