いただいている花嫁人形オーダーのために、
ただいま布を集めている最中なのですが、
着物をとんと縫っていないので、すっかりいろんなことを忘れてしまっています。
今日は布の要尺を計算するために、
先日に続いて再び、以前縫ったものを取り出してきました。
手に取って作りを確認していると、徐々に蘇る記憶!
着物独特の細部の名前も思い出してきて・・・
八掛や胴裏にはどのくらい長さが必要か、計ってその量に驚きます。
市松さんの着物は、まず材料を集めることが大変。
いつもなら人形の着物には、質の良い古布を使うのですが、
今回のオーダーは、表布が現代の打掛で既に縫い上げてあります。
私の仕事は、掛下その他と人形本体を作って仕上げること。
ですので、打掛に準じて布も現代のものを使うのですが、
今のものならすぐに見つかると思っていたのが甘かった!
昔は皆小柄だったので、反物の余りが出たけれど
この頃は日本人の身長も伸び、はぎれ程度しか出ないのだそう。
親しくさせていただいている金沢の老舗の呉服屋さんご夫婦に教えていただいて、
なかなか見つからないのに納得しました。
市松さん、いつか自分用の子を作った時のために、
昔、奈良で求めた美しい古布の縮緬を大切にとっています。
まだ数年は、寝かせておくことになりそうですが・・・
この着物も、大人用を半身求めて縫ったもの。
古い布は薄くなったり汚れが有ったりで、使えない部分もありますので、
いつも大目に買うことになります。
着物の構造上、継ぐということが出来ませんので、要尺 が必要ですから、
ある意味、西洋人形よりも贅沢ですね。
でも、日本人に生まれたからには、市松さんも傍に置きたい。
いつかゆっくり私専用の子を!
その時は、古風な可愛らしい名前をつけてあげよう。