今朝、窯から出したばかりの頭ふたつ。
今日は最後の顔描きを重ね、窯入れやっと終了です。
粘土の状態から組み立てまで、6~7回の窯焼き。
途中、ヒビが入ったり割れたりすると、ガクッと落ち込むのだけれども、
今回は大丈夫でした。
昔は少しでもたくさん窯に入れないと勿体なくて、
一度に何体も作ったのですが、年を重ねるともう、そんなことはいたしません。
少ない量で、確実に!
・・・体力も無いしなぁ。
人形を焼いては作り上げるという、繰り返しの日々。
シンプルですが、オドロキや発見、肩こりと喜びに満ちています。
喜び・・・それが大きい。
でないと、続けていませんよね。
昨年末、ひどく進行した緑内障が見つかり、
こんなになるまで、どうしてほっといたのか!とお医者さんに怒られました。
目の調子が悪いことは分かっていましたが、
まさか緑内障にかかっていて、しかも右目の視野がここまで狭まっているとは
指摘されるまで気付かなかったのです、本当に。
ほとんど、左目に頼っていたのですね。
ショックで身体が強張る中、唯一先生にした質問が
「細かい作業ばかりである人形作りを続けてもいいか?」ということ。
してもかまわないとの言葉を聞けた時は、救われました。
あれから、人形作りに対する気持ちが また少し変わって、
こんなに大事なものだったんだということを、気付かされたような感じなのです。
当たり前と思っていることは、実際にはとても有難いことなのですね。
ここ数年、いろんな出来事を通して実感しましたが、
そんな有難さに気付かされるために、厳しい出来事は巡ってくるのかしら!?
けれど、怖くて眠れなかったいくつもの夜を超え、
春の展覧会も無事終えられたし、
今は落ち着いた気持ちで、人形をまた作っています。