ここ数年母の日や誕生日には 、欲しいものを先ににリクエストしているという・・・
今年は本を二冊。
「作家の家」と「作家の住まい」を、娘からもらいました。
この手の本はどうしても好きなのです。
ハードカバーの「作家の家」の方は 以前図書館で借り、
是非欲しいと思っていたもの。
表紙はカーレン・ブリクセン(イサク・ディーネセン)の家。
バベットの晩餐会の作者ですね。
この本の魅力は、各作家の家と、それに纏わる人生が
美しい文章で詳しく綴られていることです。
それを読みながら作家の過ごした部屋の写真に目をやると、
不思議と最初にざっと見た時よりも、陰影が深まって映ります。
窓辺に飾ってあるのは夫の写真ではなく、
飛行機事故で亡くなった、生涯想い続けた恋人の写真。
言わずと知れたコクトーの家もあれば・・・
コモ湖を臨むカルロ・ロッシのすごい邸宅なども!
これは、高所恐怖症にとっては背中が寒くなるようなページでしたが。
食堂のアーチ型の窓など素晴らしいのだけれども、如何せん、高度が・・・!!
この本を再び開いた時、以前に読んだ時と好みが変わっているかもしれない・・・と
そこが楽しみであったのですが、
そんなに簡単に、人間の好みは変わらないようで、
今回も一番惹かれたのが、マルグリット・デュラスの家でした。
入り口の扉が開いた時、庭が目に入った。
私は数秒間、見つめていた。
「いただくわ」と言った。
入り口の敷居を越えたときにはもう買う気になっていたのだ。
即刻、買ったわけだった。お金も即金で払った。
この家は私が書くための家になった。
私の本はこの家から生まれた。
庭のこの光からも。
池に反射しているあの光からも。
こんなことが書けるようになるまで、20年もかかった。
霊的なものを、ひと目見て感じ取ったのでしょうね。
忘れられないくだりです。
少し雑多で、生活感のある家が好きです。
住む人の個性と大切にされてきたと感じられる家が。
そしてもう一冊の「作家の住まい」。
こちらもまだじっくりと読めていませんが、一番気に入っているのがこのページ。
堀田善衛の茅野の山荘にある、素晴らしい机!
仕事も捗るだろうなぁ・・・
*
偏頭痛で苦しむ日が三日続けば、四日目は頭痛はだいぶ和らいでも
身体が消耗してしまい、あまり使い物になりませんでした。
昼間、1時間ソファーに横になってしまった・・・
明日は窯入れ、出来るかしら・・・。