「失われた時を求めて」を数日前から読み始めています。
まえがきにもありますが、プルーストの文章は比喩が多く構文が複雑で
文章が切れ目なく続き、途中で何度も「一体何について語ってたんだったっけ・・・?」 と
遡って読み直すことが多いのです。
最初の一冊で面白味を見つけられなかったら、そこまででやめておこう。
そうでなければ、残る13冊に続くのだけれども、最後まで到達出来るだろうかと、
まだ入り口付近なのに、いらぬ心配ばかりしてしまう!!
私が買ったのは光文社版。
それにパートナーの貸してくれた岩波版を読み比べつつ、進めています。
この二冊、出版された時期はほとんど同じ。
翻訳は、どちらも読みやすいと好評だそうで、
分かり難い内容を助けるための工夫も満載です。
まず、人物相関図。
上が光文社、下が岩波。
ぱっと見ると、両者は互角といったところ。
光文社の方が字が大きいと思っていましたが、
比べてみると大きいのは文字ではなく、行間の幅でした。
けれどこのちょっとの差が、複雑に絡み合った表現の多い文章を読み解くには
視覚的に随分と楽なのです。
おまけに光文社の栞には、登場人物紹介が!
こういう細かな気遣いは、比べてこそ分かるものですね。
翻訳に関しては、どちらもいいのですが、
好みから言うと、光文社かな・・・
光文社でも分かり難い箇所は、岩波で読んでみるとすっと頭に入ってきたり。
二冊を並べて読むのが、結構楽しいのです。
さて、下は有名な「プチット・マドレーヌ」の箇所。
あなたはどちらの翻訳がお好きですか?
どちらが光文社か岩波かは、明日!