先日の青山リゾートに出かける際のこと。
体調不良の場合はエステはやめて、
本でも読みながら皆が終わるのを待ってると話した私を思い、
もしそうなっても楽しく待てるようにと、娘が本をプレゼントしてくれていました。
実際には、その心配は杞憂に終わりましたので
家で開くことになったのがこの本です。
「ひと皿の小説案内」 ディナ・フリード著 阿部公彦 監修・翻訳
昔から小説の中の食べ物の描写が大好きで、
やはり我が娘、それをよく知っているとみえ・・・
50の小説のひと皿が、見開きに紹介されていて、
私が読んだことのある本は三分の一ほど。
既読にはやや厳しく、未読は「ふむふむ」と興味深く頁をめくって・・・。
こちらは「風と共に去りぬ」より、バターを塗った芋ふたつとそば粉のホットケーキ、
肉汁のなかを泳ぐハム。
パーティーに行く前の腹ごしらえなのだそう。
・・・こんな場面、あったかしら・・・?
(以下、既読のもので同じように思うものが続出。)
おじいさんが作ってくれる、「ハイジ」のチーズをのせたパン。
これはアニメでも有名ですね。
「ライ麦畑でつかまえて」より スイスチーズのサンドウィッチに麦芽乳。
何度も読んだので、ちゃんと覚えておりますよ。
「変身」より、グレーゴル・ザムザが虫になった後、
妹のグレーテがかき集めてきた古野菜だのくさったチーズだの・・・
そういえば、そんなシーンあったなぁ!
確かにこれも、お食事と言えなくもないけど・・・。
「レベッカ」のこの4時半のお茶のテーブルには、激しく意義を唱えたい。
マンダレイの屋敷のアフタヌーンティーにしては、あまりにくだけ過ぎてるわ!
これは小説のイメージと全然違う!
(好きな小説には、特に厳しい)
「青い眼がほしい」というトニ・モリソンの作品より
グラハム・クラッカーとミルク。
リモージュ焼きの繊細な皿と、カジュアルなテーブルクロスが使われています。
この本を作るにあたり、作者は友人にお皿やテーブルクロスを借りまわり、
ネットオークションや手作り販売サイトでも小物を探して組み合わせ、撮影したそうです。
そのせいか、「ちょっと軽すぎる」と感じるものが多かったと言うと
辛口かしら・・・
きっと、若い人なのではないでしょうか?
「大好き」だと言うテーブルのしつらえに、もうひと工夫欲しいところ!
それぞれの小説の持ち味が、もっと感じられればよかったのだけれど。
まあ そうは言いつつも、
もう一度読み直してみたり、読んでみたいと思えるものがあったので、
それはそれで収穫ではありました。
最後は 「失われた時を求めて」の有名なプチット・マドレーヌで 。
上品な一枚です。
いろいろ言いつつも、娘がくれた大事な一冊、
楽しんだのでありました。
楽しんだのでありました。
自分だったらこうするのになぁ~と、傍から言うのは簡単ですもんね。