このCDジャケットを見て、誰がクラシックだと思うでしょう?
タイトルだって、「スキャンダル」!しかもピンク!
どうみてもロックな雰囲気ではないか。
でも中身は、
フランチェスコ・トリスターノと、アリス=紗良 ・オットの2台ピアノの演奏。
このCD、トリスターノということで、パートナーから借りて聴きました。
演目は、春の祭典にシェヘラザード、ラヴェルのラ・ヴァルス、
それにトリスターノ作の1曲がはじめに。
春の祭典は、「おどろおどろしい変な曲」というのが頭にあるのですが、
この2台ピアノの奏でる音楽は、
そんな先入観を変えてくれるちょっと驚きのものでした。
こんなに澄んだ音で弾いてもいいのだなあ!
アマゾンのレビューに
「これほどまでに乱暴、粗野とも思える表現にはであったことがない」
とあったけど、そんな風には全く思えなかった。
感受性とは、人それぞれなのですね。
ずっと若い頃は、クラシック音楽にも
まさにスキャンダラスな演奏を求めていたけれども
分からないなりにも年月を経て徐々に、
何かしら説得力のある美しい音楽が聴きたいと思うようになりました。
ジャケットからのビジュアルだけでなく、肝心の音も 美しい二人で、
すっかり愛聴盤になりそうです。
どれも、バレエリュスがらみということだし。
選曲を含めてトリスターノの音楽はいつも、
クラシックなんだけど、それだけじゃない魅力に満ちていて好きです。
肩の力が抜けていて、自由なイメージ。
だからといって。やり過ぎ感もない、絶妙さ。
なかなか稀な若者じゃないでしょうか。