ちょうど一年前、麻の葉工房の亘正幸先生がお持ち下さったお着物。
作品として鋏を入れてしまう前に、我が家の娘に似合いそうと、
着せて写真を撮ってあげて下さいとのご厚意でした。
その場では、簡単に袖を通させていただいたのですが
紗の着物とあって、これに合う長襦袢や帯などの手持ちが無くて・・・
長い間、お借りしたままになってしまった!
なんでも、某老舗和菓子屋さんの奥様のものだったのだそう。
改めて着物をひろげてみると、
お召しになっていた頃のお姿が見てみたかったものです。
百合の佇まいの美しさといったら・・・!
バックにはススキ。
隠れてしまうのが勿体ない、下前身頃。
背中には 女郎花。
お返しする前に、またじっくりと眺めました。
・・・なんとも素晴らしいですね。
着物は洋服に比べ、一見地味なように思われることも多いのですが、
帯はもちろん、帯締め・帯揚げ・伊達襟など、その組み合わせの妙が
知的ゲームのようで面白さがあります。
ルールも多く、感覚だけで着ることが出来ない窮屈さが、
だんだんと、奥深さに変わっていく。
私は続けられなかったけれど、
人生の中で触れることが出来たのは、本当に有難いことでした。
さて、この着物がどんな作品に生まれ変わるのか
それも大変興味深い!
来月後半には、京都のお香の松栄堂さんでまた個展をされるので
もしかすると・・・?なんて思っております。