8/23/2014

あの日から1年




 先日焼き上がって、ショートボブのウィッグをかぶせた子に
ロングの人毛のウィッグを作っていました。

それを今朝、鋏で粗方整えて、試着。

裸ではなんだなぁ・・・と、ゴーティエのドレスを拝借。

あら、可愛いじゃないの。







 次にエミール・ジュモーから帽子を借りてきて
ちょこんと頭に乗せてみました。

なかなかよく似合っています。


けれど、これは借り物だから、
貴女には違うシルクでドレスを縫ってあげましょうね。


 さて、どの色のシルクを選ぼうか!









 ふふふ・・・やっぱり人形作りは楽しい。

作るという作業自体が好きなのですが、人形は特別。
仕事がこんなに好きだというのは、神さまに感謝しなくてはいけないこと。

 有難いことです。









そしてちょうど昨年の今日、岐阜の御首神社へ行きました。

父が極端に症例の少ない頭部の癌だと分かり、なにひとつしてあげられなくて
ぼろぼろな心に浮かんだ欲求が、神頼みでした。

母がこの気持ちを汲んでくれ、兄がすぐに車を出してくれて
娘とパートナーは留守の家を守ってくれて。

この時の家族の温かみは、生涯忘れることはありません。


父が亡くなる1週間前に、私はもう一度神頼みをしたのですが
その御守りを見て電話口の父が
「お父さん、御守りだらけになってしまう!」と笑った声が
昨日のことのように耳に残っています。

こちらの気持ちだから、と言うと、「うん、どうもありがとう。」と嬉しそうに笑って
「なっちゃんの編んでくれたの、点滴の時にしてるよ、温かいよ。」
そしてもう一度「ありがとう!」と言った言葉が、最期となりました。
 
私がその時、父に最後に返した言葉も「ありがとう」だから
こんなふうに言いあえたことは、奇跡だったのかもしれません。


だから、もっともっと、人にありがとうと伝えなければいけないんだ。

そんなことを今日も、思っていました。