会場での作品配置を考えるのは、毎度大変ですが、
何かを作るものにとっては、展覧会での一番の楽しみでもあります。
今回、このアンティークの刺繍の椅子には、エミール・ジュモーを座らせることに。
この椅子のために、作られたようなぴったりの衣装の人形。
少し、画像の色合いを落とし、加工してみると、
ノスタルジックな雰囲気に・・・。
そして実際の色は、こちらです↓
この椅子の刺繍の図案は、輸入した生地からとったもの。アールヌーボーですね。
座面に張ったのは私です。
こういった、一見難しそうにみえても、
やってみれば案外簡単で楽しい作業が、日常には実はたくさんあります。
そういえば、ちょうど1年くらい前、
「藤田 嗣治 手しごとの家」という本を書店で見つけ、
嬉々として買って帰りました。
レオナール・フジタが心惹かれる画家だったことはもちろんですが、
私はふだんの生活(それも工夫と美に溢れた)の匂いのする 本が好きなのです。
フジタの家の内部は、素晴らしかった!
自分で絵付けした素朴なワイン杯、
食器棚に施されたフォークとスプーンの木彫
フジタのトレードマークである眼鏡やパイプ、ペンの象嵌模様のテーブル
中でも素敵だったのが、記念日ごとに婦人に贈った
手作りの装飾箱でした。
丁寧に、ユーモアを交えながら作られた宝箱は
相手の喜ぶ顔を思い描きながら
楽しんで大切に作られた心が見えるよう。
こういうのを見ると、子供の頃の純粋な心をそのまま持っていた人なのだと
改めて思います。
そして、そういう手作りの暮らしを、いつかどうしてもしてみたい!と
想いを強くします・・・。
私のように、家に居ることが一番好きなものにとっては、
暮らしにまつわるものを手作りする毎日は、想うだけで至福の時間。
あぁ、いつかそんな日が訪れますように・・・。
それまでは、人形も精進いたしますし、
部屋も片付けます(恥)。