私には、亡くなった父の代わりに大切にしていきたいと
心に決めた方が二人あります。
一人は今、闘病中。
そのさなかにも、明るい声の電話が今日届き、
送った手紙には「返信不要です」と記したのですが、
やはり、声を聞けると嬉しくて、
病室からの心遣いを有難く思いました。
とても生き方の柔軟な人なので、
病気によって たとえ日々の過ごし方が変化しても
それを自分流に豊かにしてしまう。
以前は素早くとっていた食事も、
今はのどが痛いせいで、ゆっくりと時間をかけて楽しむようになったこと。
病室で1日に1冊、本を読めるようになったこと・・・。
その心の術に、
ああ、そうか!と、すっかり感心して
こちらの方が勇気づけられるのです。
・・・そう、何度こんなことがあったことか。
受話器から聞こえる明るい声は、
少し 前より優しく、涙もろくなった気もします。
けれど、私が知りうる限り、最強の女性、
けれど、私が知りうる限り、最強の女性、
きっとこの人には病気も感服して
どこかに隠れ、そのうち逃げてしまうに違いない!
隣の花と、調和し合おうと咲く テーブルの上の紫陽花に
そんな柔軟な心を思います。
お父さん、どうか守ってあげてちょうだいね。