昨日母が、ケーキ屋さんのショーケース前で
おやつのケーキを物色していた時のことです。
後ろに並んでいるご婦人のひそひそ声。
なんとなく感じる視線。
声をかけられて振り向くと、
「これ、手編みですよね?」
そのご婦人の視線の先は、母が手に持っていたこのストールでした。
これは多分8年くらい前に、私が母に編んだもの。
その頃は、海外パターンのショールに凝っていて、
何枚も編みました。
せっかく編むのだから・・・と英国ローワンのちょっとシャリ感のある糸で。
4号くらいの細めの針で編むのですが、
軽くて暖か。
4月とはいえ、まだ寒い時もあります。
母も家を出る時は首に巻いて、
百貨店の中では、外して手に持っていたのだそう。
「最近は編み物をする人も少なくて・・・
こうやって手編みを見つけることは珍しいですね。」
そう話されるご婦人も、手編みのベストを着用されていました。
編み物好きは、確かに手編みのものを見かけると、すぐピン!と分かりますね。
斯く言う私もそう!
昔はこんな見知らぬ人との会話が、編み物にかかわらず
あちこちで普通にあったのでしょう。
最近は、そういうことも減りました。
けれど手作りのものが、
そんな他愛もないけれど、温かいひとときのきっかけとなるのは
なんだか嬉しいですね。
若草色のストール、
まだもう少しの時期、バッグに忍ばせて。