11/28/2013

森谷延雄の家具



図書館とは本当に便利なもので、
手に取って見てみたいと思う本の半分くらいは
蔵書検索で引っかかります。

しかもしれが、無償で借りられるのだから・・・
ほんと、図書館さまさま。


今回も、何冊か面白い本を。
その中の一冊、
「 夢見る家具 森谷延雄の世界 」





これは、とある建築家の本を探していて、偶然見つけたもの。

森谷延雄は1893年生まれ。
33歳の若さで夭逝した家具デザイナーです。

表紙にある「ねむり姫の寝室」と名付けられた部屋。

これが、関東大震災の翌年に開かれた
「帝都復興創案展」で発表されたものだと知り、驚きました。

質実剛健とは真逆の発想です。








 この作品の出品にあたり、森谷延雄が考えたことは3つ。

一つ目は、芸術家は勇敢に作品を発表して世間に問うのが義務だということ。

二つ目は、その秋にフランスのサロンの室内装飾が発表されることを知り、
その前に外国人に負けないよう、奮起したこと。

そして三つ目は、関東大震災によって時の観念が変わり、
悠長にかまえていられなくなったこと、だそうです。







「室をつくるとか、家具を設計するという気持ちを超えて
詩の気持ちをそのまま表したい」

 心に響く言葉。







ちなみに、私がすっかり気に入ってしまったのは、この椅子です。

片方の肘掛の下が、本棚になっていて、
ちょうどその上にお茶のカップがひょいと置けたり!

ありそうで、実際そうそう無いのですよ、こういうの。










今日は午後から出かけ、いろいろ所用を済ませ、帰宅。
11月ももうすぐ終わりに近づき、
外気も冷え込んできました。

風邪をひかないようにしなければ・・・。