4/07/2011

もてなしの心

桜も開花し、見ごろとなった 今日、
伯母宅へ所用で出かけました。
伯母は、桜をこよなく愛する人。
訪ねるのに、これほどぴったりな時期は無いのかも・・・。





伯母はとても、もてなし上手です。
まるで、料亭にいるかのような気分になれる 
心遣いに溢れた情景を、ご紹介!
(ちゃんとしたカメラを持参して行けばよかった、と後悔。)

まずは、この桜を見渡せる陽だまりのスペースで
桜茶と黒糖のお饅頭、お干菓子を出してくれました。
 どの器にも、桜が描かれています。



八重の美しい桜茶を愛でながら
お饅頭をいただくと、
伯母は、即座にお抹茶を点ててくれています。
場所を和室に移し、次はこちらでお抹茶・・・。




この桜最中 、京都寺町通りのもの。
「洗練されたものはいくらでもあるけれど、餡子を店の奥で炊く
手作りのこの最中が好き」と、
わざわざ昨日、買いに出かけてくれたんだそう。
こちらのお菓子は、目にするたび美しいなぁ・・・と思います。
素朴な佇まいの、こじんまりとしているけれど
 一本筋の通った清々しさを感じるお店。

 


そしてこの和室、実は「桜の間」。
桜にまつわる伯母厳選のものたちが、あちらこちらに配され、
日常を忘れるかのような、穏やかな春の世界が広がります。
(すりガラスの柄にも、特別に誂えられた桜の花びらが・・・。)



 最後は、食卓で。
お土産に切っていったクリスマスローズを活けて
果物をいただきました。
桜の風味の紅茶とともに。

ここでやっと、伯母もひと息つくわけです・・・。




 こちらにきて、いつも感じることは
もてなすという心です。
私の前に現れた
どのお皿や茶器からも、こぼれ出るのは
ただ、喜ばれるますように、という素直な気持ちです。

人それぞれに、いろんなライフスタイルがあり、もてなし方も十人十色ですが、
一番大切なことは、このシンプルな気持ちなのでしょう。
それがあってからこその、アイディアや遊び、室礼なのですね。
どれもが目に、舌に、心に嬉しく、
ワクワクとした最高の時間でした!

伯母は、若い頃から必死に働き
今の暮らしを手に入れた人。
私も、それがどんなに大変だったか、
この年齢になって、ようやく分かりかけて来ました。

「自分の知らない世界の話を聞くほど、面白いことは無い」と
笑う伯母を見ていて感じるのは、
人生のどんなことも招き入れるような、
自然体の心地よさ。

私も、心の扉を開け放とう!


 玄関を入ると、すぐに目に入る美しい箱庭。
招かれ、すっと背筋の伸びるような景色。

 実は昨日、京都まで醍醐寺の桜を見に出かけましたが、
渋滞の中、やっと辿り着いたら駐車場はどこも満杯!
泣く泣くそのまま帰宅したのですが、人生とは不思議なもので、
きっとそれは、今日の屋内でのお花見の為の神様の悪戯だったのでしょう。
そうだ・・・! いや、そうに違いない!

この後、伯母が連れていってくれたお店も素敵でした。
近々また、ご紹介!