4/11/2011

キャンバスの中の春



桜も満開の関西。
我が家には、桜の木はありませんが、
ジューン・ベリーが今、たくさん花を咲かせています。

ジューン・ベリーは、その名の通りに初夏に甘い小さな実をつけます。
その頃になると、必ずと言っていいほど胸に渦巻くのが
サマープディングという英国のお菓子。
この実を使って・・・と画策いたしますが、いかんせん小さな木、
収穫の量もたかが知れています。
スーパーの冷凍のベリーを使うくらいなら・・・と
諦めたふりをしながらも、
また初夏が訪れると、木に覆いをかけてみたり、鳥を追い払ったり、
しばし逡巡の堂々巡り(恥)。
今年も大人気なくやるのでしょうか・・・?


さて、我が家では桜代わりのジューン・ベリー の背後には
今の時期にぴったりな 「春、のぞく」という絵を。
日本画家、藤田哲也さんの作品です。

わずかに開いた厩舎の扉から、
馬が見つめるのは、春。

キャンバスの中の桜は、ほんの少しの分量でしかないのに、
あふれ出る春の空気を感じます。
私も、お馬さんと一緒に春をのぞくような ・・・
そんな、ほのぼのと美しい絵です。

そういえば・・・
滋賀展に来てくださった藤田さんのお母さま。
笑顔いっぱいでお赤飯をお持ち下さったことを、ふと思い出しました。
お赤飯も、桜色、ですね!

早春は過ぎ、じきに汗ばむような日が来ることを予感しながら、
そうなっても、絵の中の春をしばし楽しみましょう。