3/17/2010

着物の裁断




久しぶりに、市松人形の着物の裁断をしていました。
この裁断、人形といえども侮れません。
表布の柄取りがまず悩むところ。
古布を使いますが、柄は大抵大きいので、
人形サイズに違和感の無いように、選びます。

そして、表・八掛・襦袢・襦袢裏・など、
袖は3組重ねるので、片袖だけでも6枚の裁断。
また、縮緬をはじめとする絹地は、しるし付けも地が動いてやりにくい。
そして、ほぼ人間と同じように仕立てて行きます。
綿を入れ、ふきをたっぷり取ったり、これも難しい。
(ちなみに、ここで入れる綿も、古い綿を使います。
すると不思議に、古いもの同士の布と綿がよく馴染むのです。)

溜息をつきながらも、今まで結構な数を縫いました。
やっぱり古い縮緬は
触れているだけで優しい気持ちになりますから。
 
上の画像は、過去に縫ったもの。
お店で着物を半身、分けていただいたものです。
それでも、一着しか作れません。
人形のおべべは、本当に贅沢ですね・・・。


これは、パートナーのお母さんが金沢から送ってくれた
古布で縫ったもの。


着せるとこんな感じです。


そして、今日裁断していたのはこの布。
悩みすぎて、重ねの布まで裁断出来ませんでした。


これを着る予定の人形は、初めて作るもので、
まだ焼きが一回残っています。
窯入れは心が落ち着かないと出来ない作業。
なので、来週あたりから、またコツコツ焼き始めます。