早いもので、父が逝ってもう12年が経ちました。
今でも「なっちゃんか?」と、会社の父の部屋から電話がかかってきそうな
そんな気がします。
もし生きていてくれたら、85歳。
お父さん、あれからいろいろあったけど
皆恙なく暮らしているよ!
先日の展覧会の時に、久し振りに叔母がお赤飯を手に来てくれて。
いつもならばオープン直後の忙しい時間のはずなのに、
その時だけは魔法がかかったかのように、
しばらくは叔母と母と私の三人だけ・・・
ゆっくりと父の思い出を語り合いました。
あの時間を反芻しつつ、今日を過ごしています。
父が亡くなり、少し気持ちが落ち着いた頃に
林哲夫さんにお願いした油彩画。
新婚旅行に旅立つ、列車の扉が閉まる瞬間の父母の写真から。
父は後ろにほんの少しだけなんですが(笑)。
この恥ずかしそうな笑みは、生前の父をリアルに思い起こさせます。
やっぱりあの時、お願いして描いていただいてよかった。
不思議なもので、林さんに絵をお願いした時に
近しい人の死に偶然遭遇するというのが二度ありました。
その度、こちらの心が落ち着くまで発送を静かに待って下さって・・・
そんな「死」という辛い出来事が絡んでも、
どの絵も穏やかな気持ちで今、見ていることに気付く。
林さんの絵にはそんな静けさと優しさが宿っているように思います。
