この子達を作ったのは、2008年。
もう10年近く前です。
我が家に長く居すぎて、もうどこかに行くなんてことはないだろうと
仕事部屋のいつもの棚に、ちょこんと座ったまま
人形を作り、おやつを食べ、また人形を作るという
私の他愛無い日常を見続けていたのでした。
そんな二人に大事件が!
女の子に「我が家にきませんか?」との申し出があったのです。
女の子と男の子は仲良しですから、二人は悩みました。
すると不思議なことが。
新しいお家のママが、男の子のことも気になって下さったのです。
二人は同じ箱にとび込みました!
新しいお家へ運んでくれる魔法の箱の中で
乗り物に揺られながらも、少しだけ不安な気分。
大丈夫かなぁ・・・。
好きになってもらえるかしら?
新しいお家に着いた夜、箱から取り出された二人には
優しいパパとママの笑顔が待っていました。
「本当のお家ができた!!」
パパは早速、二人に特別な贈り物をしました。
それは、この世に生まれて、長い間二人が持っていなかったもの。
そして、ずっと憧れていたもの。
女の子には「パオラ」 男の子には「ヴィンセント」
これ以上、素敵なことはありません。
*
今回、こんな古くに作った子が 旅立つことになりました。
今でも修行の身ですが、10年前となるとほんと、更に拙いのです!
お譲りしてよいものかと葛藤もありましたが、
「お宅で長く大切にされた子を、そのままで・・・」とのお言葉に
なんだか本当に胸が熱くなってしまいました。
人形は、長く残るものです。
それだけに、作り手は肝に銘じて丁寧に向き合わなければならないと
改めて感じました。
皆さまから教えていただくこと、本当に多いのです・・・。