3/06/2014

藤田嗣治の人形



 一生に一体でいい。
本当に気に入ったアンティークドールに巡り合いたいと
蒐集家の方にもご相談しながら探していたのが、1年前。
 6月に父が病に倒れ、それどころでは無くなり
月日が流れすっかり忘れていたところ、
思いがけないお話をいただきました。





 アンティークのディーラーさんから
「藤田嗣治の所有していた人形に、ご興味ありませんか?」
とのお言葉に、半信半疑で
「まずは見せていただけますか?」とお答えしたのが先月のこと。


届くまでは、どうしても現実味がわかず・・・。

フジタの作品は、とても好きです。
手作り感溢れるその暮らしぶりは、更なる憧れでした。


直送された人形の包みを慎重に1枚1枚開き、このレディーが現れた瞬間、
フジタの所有であるということはまず、すっかりと忘れ、
その穏やかな眼差しに心を奪われました。



 






 フジタが人形を壁に吊るしていたのが窺えるように、
このレディードールにも、背中にリボンが結わえてあります。

キャビネットの鍵に、ちょっとだけ吊るしてみました。
(もちろん、すぐに下ろしましたが・・・)




 


 フジタと人形。





 このレディーに、まずは帽子を作ってあげたい。
対面して挨拶をして、一番にそう思いました。

古いウィッグは随分と傷んでいますが、
昔のものは、それでも味があるのです。
ドレスに合う、古ぼけた生地をじっくり探しましょう。

ストローハットでもいいな!








さぁ、パートナーに付けられないうちに、
先に素敵な名前を考えなければ・・・!


こんなに気持ちが まあるく膨らんだのは、久しぶり。
そしてこんなご縁、まったくそうそうはありませんね。

神さまがこのレディーたちを、我が家に導いてくれたのかしらん。


……?

レディーたち??


実はこのお話には、まだ少し続きがあるのです。