12/29/2013

クートラスの思い出



 ずっと大切にもっていたいような本とは、
大きな本屋の広大な書棚の 例えどんなコーナーに潜んでいても
背表紙を見ただけで、ピンとくるものがあります。

そっと手に取り開いてみると、
やはりそうだった、と嬉しく胸がざわついて、
宝物のように抱えて帰る。
今年のクリスマス会の本の交換に選んだ 
この「クートラスの思い出」も、そんな1冊でした。







表紙にも並べられた「カルト」という作品を
毎晩、段ボールやポスターの裏に描き続けたのが
パリに生まれ、パリで没したロベール・クートラスという人。

暗い情熱の宿ったような色調に惹かれ、
彼の生涯を本の中に辿りました。

貧困の中でも、パリッと糊のきいたテーブルクロスやシーツを使い、
絵と同じ色彩の集められた部屋に暮らしたクートラス。

オーヴェルニュの教会にあるような、
昔からの日常の溢れるものを、こよなく愛した人。


誰が作ったのかと問われることもなく
そのもの自体で生まれて、年老いて美しくなっていく作品を
クートラスは好きだった。


手帖に記しておきたいような、一番心に沁みた一文です。

 





この本を引き当てたのは、日本酒ソムリエのAさん!
美大で文学の先生もしていた方で、
今は大原で米作りにも携わっているという、自由人!
なかなかピッタリの方に当たりましたね。






そして、今年私に当たった本。
「リリィ、はちみつ色の夏」
スー・モンク・キッド


実はこの本、図書館で娘が読んだ際、大変気に入って
交換用に購入し、
「ママに当たるといいなぁ~」と包んでいたもの。

クジ引きは17分の1の確率でしたが、私に当たりました!

最近、こんな魔法がよく起こるのです・・・。






このところ、実用書ばかりが枕元に山積みでしたが、
今夜からはこの本を開きます。