昨日はラッズギャラリーで今やっている、西村健三展に出かけてきました。
ラッズギャラリーは現代アートを専門とされていますが
時折強く「見てみたい!」というものがあり、
西村さんの作品がそうだったのです。
木を主な素材とした作品の他にも、壁面に絵画も展示されていたので
会場全体の雰囲気も見てみたかった。
たまたま作家ご本人も来られていたので
座ってお茶を飲みながら、ゆっくりとお話をさせていただきました。
物を作られる方は、いろんな分野に明るい方が多いのですが
西村さんもそうで、ご自身の経験されたことについての話題や
人形や刺繍のことも興味を持っておたずね下さり
楽しい時間を過ごすことが出来ました。
その中で、おっしゃられたのがこんなこと。
「あなた、変態性が無いね、ストレートな感じ。」
最初は私自身に向けられた言葉かと思いましたが、
それは私の人形に対してもおっしゃられているよう。
この変態性の有無について、人・作品をまずはかるという物差しが
正直私にはとても衝撃的だった・・・
誤解して欲しくないのは、気分を害したというわけではなく、
本当に心から新鮮だったのです。
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ランチをしたダルポンピエーレにて |
私のことをよく知っている人ならば、「ん?」と感じられるかもしれません。
実は私は結構「変態性がある」というものが好きなんです。
それも思春期の頃から・・・だから筋金入りと言っても過言ではない。
ただ綺麗なもの、技術の優れているものよりも
うまく説明できないけれど、下品に近いモノ、その紙一重上にあるものに
限りなく惹かれる人生でした。
若い頃にはそういうものが、選ぶ服だったり持ち物・髪型から
なんとなく察せられたのかもしれませんが、
そういえば最近の私は、確かにちっちゃくまとまっているのかもしれない・・・。
いや、初対面の方にそういわれるのだから、そうなんだろうなと思います。
そして私自身、今までの人生でいきなり初対面の方に
「ずっと苦労せずに生きて来られたでしょう?」とか
「あなた、一人っ子?」と何度も言われた経験があります。
実際にはどちらもNOなのですが。
そして、私の人形の中にはないという変態性。
おどろおどろしかったり、奇抜な人形が嫌いというわけではないけれど、
人形に関してはあまり惹かれないのも正直なところでした。
そして何より、自分が作る人形については、
変態性などというものを意識したことは無かったんです。
その時の感じたままで作っている・・・。
でも私自身はいつもどこか奇妙なものに惹かれて生きて来たので
どこかにそのエッセンスのようなものが・・・う~ん、一滴くらいはあるのかもしれません。
帰りの電車の中で、西村さんの言葉をずっと考えていました。
見せていただいた作品の、それこそ骨盤や身体の一部を連想させるカーブや陰影が
私はやはり好きでした。
そこには確かに、そこはかとなく変態性が漂っていた・・・。
(一方、母は逆にそういう作品は苦手だと)
昨日はこの言葉をいただいたことが、私の中でとても有難かった。
今日もそれを考えています・・・とても興味深い。
暑い中、出かけて行って良かったです。
西村さん、心から感謝いたします。
でも私も一応、私自身の嗜好性について主張してきたのですが、
どうも信じておられなかったような・・・
こんなに変なものが好きなのにっ!!
最後に、「あっ、これもこのなんともいえない奇妙なところが好きなんだ・・・」と、
千栄さんに作ってもらったカベドールと共に(笑)。
思えばこんなに変態性を主張するのは、人生で初めてだな・・・。