4/19/2010

捨てられないもの




今日は顔描きや窯作業をしながら、ヘッドの整理をしていました。

随分前に作った満足行かないヘッドなどは、
処理ダンボールにポイ。

けれど、中には捨てられないものが出てきます。

例えば、前回の展覧会直前に割ってしまったブリュのヘッド。
おでこにひびが入っているので、可哀そうだけど、
もう組み立てられることは無いのですが、
こちらを見る表情がまだ活き活きとしていて、とてもゴミ箱には入れられない・・・。

逡巡しながらも、今回もまた、保存用ダンボールへ。

このブリュ、一番大きなサイズで、70cm程あります。
ちょっとした子供くらいの身長。無視出来ない存在感!

再度作りなおしたのが、下の画像の顔。

この衣装には、こちらのオリーブ色の瞳が良く合いました。

けれど、水色のこぼれそうな瞳のブリュも捨て難く、
また同じ瞳を使って形にしてみようかと、ボディを焼成中です。


やりたいことや、作りたい人形がたくさんあって、
秋の展覧会を前に、気持ちは少しパニック状態。

落ち着いて、よく考えて、優先順位とチャレンジ精神の手綱を
上手く操って行かなければ!


読了記録
「小石川の家」  青木玉  図書館の本

幸田文の娘による、母と祖父(幸田露伴)との生活を綴ったもの。
なんとなく森茉莉の、父・鴎外へのオマージュである「父の帽子」を思い出します。
鴎外は娘を溺愛しました。
逆に、露伴は娘や孫に対して、相当厳しいです!
けれど読んでいて露伴にどこか微笑ましさを感じて憎めないのは、
孫である玉の、祖父への愛情が文面に感じられるからかもしれません。