5/26/2010

ルノワール展




ルノワールを好きになったのは、いつ頃だったでしょう。
学生時代には、正直ピンと来ませんでした。
人形を作るようになってから、
その良さを感じられるようになったのかな、と思います。


今や、彼の遺した絵は、私にとっては幸福の象徴。
絵の中に封じ込められた
いつまでも続く美しい日々。



いつ行こうか・・・楽しみにしていた大阪での展覧会。
日差しの強くならないうちに・・・と、今日決行!
先日の雑草抜きで腰を痛めた母と、電車に乗って出かけました。
(もちろん、その腰を労わりつつ。)

今回どうしても見たかったのは、
「団扇を持つ若い女」という有名な絵です。

時は春でしょうか?
目を向けた瞬間、こぼれる色彩・・・
菊の花々、少女の格子の服、ジャポニズムの団扇、
そして何より、右側に配された大胆な縞が素晴らしい。
どれも、個々に見ると首をかしげたくなるようだけど、
キャンバスの上に一緒に広げてみると、絶妙!

「そうそう、こんな感じで着物が着たいのよ!(鼻息荒く)」

絵を実際に前にして、まず思ったことです(笑)。
インスピレーションは、洋よりも和が勝ってしまいました。

この絵の感覚のように・・・・・・平凡な言葉でしか言えませんが、
和の中にちらりと見える洋との融合の妙・・・。
(けれど、それはあくまでもちらりで、あからさまなのはNGです。
そういうのは、美しくない!(再び鼻息荒く!))

私の好きな日本のレトロ西洋建築に通じるものがあります。

そして、同じようにその感覚を人形に活かせたら、
どんな風になるでしょうか。
想いはやはり、結局は人形へ行き当たり・・・。
この絵の乙女の眼差しのような、
限りなく優しく、永遠に美と安らぎを讃えるかのような表情の人形を、
夢のように思い描きながら、家路に着きました。

今日はルノワールの世界に胸がいっぱいになり、
久しぶりに、美術館の中で泣きそうになってしまいました。

これが、本当の芸術の力なのだと思います。