ビスクドールというものに出会った頃、
正直すぐには可愛いとは思えませんでした。
例えば、このゴーティエ。
四角さを強調した顔に、中央に集まった目鼻立ち。
それが、時が経つにつれて
そこがカワイイ!と思えるようになってくる・・・
しかも、癖のある顔立ちの子に、どんどんと惹かれてくる・・・
19世紀当時のアンティークドールを見ると、
可愛いというよりも、凄みのようなものを強く感じます。
睫毛も不揃い、唇の色は大胆にはみ出し、
目も左右がかなりアンバランスだったり。
でも、そこが強烈でいい。
わざと不揃いに描くなんて、なかなか出来ないので
当時の職人さんがいい加減だったのだろうか?なんて考えますが、
奇跡的に長い年月をくぐり抜け 、その目に様々な歴史を映してきたのだろうかと想像すると
身震いがします。
そういった人形にはとても敵わないけれど、
自分に出来る精一杯で、少しでも近づきたいと思いながら
今日も作業。
でも、人形作りは楽しい。
こんな幸せな作業は、他にありません。
もちろん、私にとってですが!
粘土から窯で焼かれて、色付けされて・・・
だんだんに、ひとつの個性が誕生して行く過程に
大きな喜びがあります。
子育ての、いいとこだけを取った感じでしょうか(笑)?
人形は、反抗期もありませんしね。
今年はゴーティエももう一体作りたい。
今度は正反対に、もっと幼い雰囲気の子を。
以前、プリズンブレイクという海外ドラマを見ていた時、
毎週ケラーマン役の人が出てくると、「ゴーティエに似てる・・・」と思っていました。
私だけかしらん。