6/25/2008
娘とパートナー
娘は16歳ですが、まだ本格的な反抗期というものがきていません。
大人に囲まれて育った一人っ子なので、同じことをみんなから口うるさく言われると、多少はすねたり文句を言うことはありますが、まだまだかわいいものです。
数年前私が離婚し、その後パートナーと出会い、彼が大好きになり、一生ともに過ごしたいと思った時、悩みましたが当時まだ中学生だった娘に正直に打ち明けました。
「ママが幸せになるんだったら・・・」
ただそう言って、涙を見せて祝福してくれた娘は、パートナーと対面した後も、私が予想していた以上に彼を好きになってくれ、親子とも兄妹とも違うけれど、パートナーと娘だけにしかない、あたたかくてしっかりとした絆で結ばれるようになったのです。
学校での相談事も、私ではなくパートナーにするほうが多いほど。
学校の友達にはどんなふうに話しているのかしら・・・?と思っていたことも、どうやら大人の取り越し苦労だったようで、本人はパートナーとの関係をごく自然に、正直に話しているようです。
そして、友達を連れてきては、パートナーに紹介して、友達も娘と同じように、パートナーを「ケンさん」と親しみをこめて呼んで、仲良くなっています。
そういう光景を見るたび、嬉しいのと、家族皆が本当に仲が良く、幸せであることが夢のように感じるのです。
そんな娘が、先日初めてパートナーに怒りをぶつけました。
娘のソルフェージュのレッスンをするために、昼寝をしていた娘を起こそうと、パートナーがピアノでショパンを弾いたのです。
聴こえているだろうに、なかなか起きない娘。隣りの部屋にいた私も、「いい加減に起きなさい!」と怒ろうとした時、娘がバンと音を立てて部屋から出てきて言いました。
「下手なピアノ弾かんといて!!」
私もその場に居合わせましたが、ぷいっと部屋を出て行った娘にはその時はなにも言いませんでした。
多分、言った本人が一番後悔してると思ったからです。
夜、お風呂の中で、溜め息まじりで娘が言いました。
「今日、ケンさんにひどいこと言っちゃった・・・。」
やっぱり予想通り、反省してたのですねぇ。
「でも、部屋に帰って、すぐに謝ってんで!寝起きやったから機嫌悪くなってしまって、ゴメンなって・・・。けどあの時はホント疲れてて、ゆっくりしようと思ったらセラフィンが邪魔したし、セラフィンがいなくなってやっと・・・と思ったら、今度はケンさんがピアノを・・・。あれも、ショパンじゃなかったら許せてん!けれど、ショパンはもうガマン出来へんかってん!」
実技試験を目前にして、毎日ショパン漬けの娘。まあ、言ってることも分からなくはないんだけど。
もちろん、その後二人はまったくいつもと変わらず、パートナーもたいして気にはしていないようでした。
でも、そうやって、不機嫌な顔を見せられるのも、家族だからかな、と思うのです。
楽しい時も、しんどい時も、一緒にいられるのが家族です。
だから私にとっては、ちょっと嬉しかった出来事だったのでした。