
くまさんを抱っこさせてみると、人形もなんだか嬉しそうで
思わずデジカメを構えてしまった午後。
私も、縫いぐるみが大好きな少女でした。
小学生の頃は、就寝前に枕の周りに、
縫いぐるみをずらりと並べて眠ったものです。
どのこも大切にして、もちろんお気に入りはあったのですが、
えこ贔屓すると、きっと他の縫いぐるみ達が恨むだろうと、
語りかける言葉にまで気を遣い・・・
「こちらの想いは縫いぐるみに伝わる」と信じて
全てに平等にと接していたのですから、
思えば、子供にしては肩の凝ることでした(苦笑)。
そして未だに、自分の作る人形に対しても
やや似た気持ちを持ち続けています。
ひとつ違うことは、本当に皆に愛情を持てることでしょうか?

娘が2歳くらいの頃、トナカイの縫いぐるみが大好きで
いつでもどこでも一緒。
最初は、親心にそんな姿がかわいくて笑っていましたが
そのうちに、外出から帰るたび、
やれ本屋さんに置いてきただの、スーパーに忘れてきただの・・・
すぐさま取りに行くはめになり。
一番神経を擦り減らしたのが、旅に出た時。
その時は無くすともう、再会することはほぼ不可能でしたから
周りのもの皆で目を光らせました。
こんな苦労をするのなら、お気に入りの小さな友達は作るべきでは無かったのかも。

けれど、娘の部屋に今もちょこんとあるトナカイを目にすると
成長した娘の、過ぎ去った年月が凝縮されているようで、
なんだかいとおしかったりするのです。
まあ、こういうお気に入りが2,3個あって、スペアがあればいいのですが、
かなしいかな、お気に入りとは大抵ひとつきりのもの。
だから、特別なのですよね。
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「ね~、クマさん!」 |
真ん中の縫いぐるみがトナカイの通称「トニー」。
ご想像通り、トナカイから徐々に訛って?トニーとなりました。
母が昔、「ダニの宝庫」と言っていましたが・・・
私のお気に入りだったおサルは、先代の愛犬がよく、中から綿を出すのに興じて
そのうちに無くなってしまいました。
今もあれば・・・あっても良かったかも、などと
こんな日には思ったりします。