7/11/2009
リプロダクションとオリジナル
先日抜いた人形の頭は、もう1日自然乾燥させ、明日素焼きする予定なので、今日は新しいオリジナルのモールド作りのために、粘土で原型作りをしていました。
私の製作している人形は、アンティークのリプロダクションと、原型から作るオリジナルの2種類です。
どちらが好きかと聞かれれば(洋人形と和人形もそうですが)、どちらも選べない、それぞれに魅力のあるものだと思います。
リプロは、アンティークの人形から模られたモールドを使いますが、では同じモールドを使えば皆同じ顔になるかといえば、否。 10人が作れば10通りの顔になりますし、1人が10個作っても、決して同じ顔は出来ません。
まず、アイカットの段階で、それぞれの人形に違いが出てきます。そして肌の色づけ、顔の描き方、髪の毛の色・スタイル、衣装・・・・・・微妙な違いの重なりが、最後には大きな差となって、個性の違う人形が生まれます。
だからこそ、リプロと言えども毎回違う感動や驚きがあり、また新しい命を作り出したいと思うのです。
オリジナルは、粘土から作る独自の顔ですので、作者の腕の試されるところでしょう。
私は、まだ多くは作っていないので、修行中(!)ですが、出来上がると、やはり特別な気持ちになります。 (オリジナルは、必ずと言っていい程、作者に似るそうですが、私も例にもれずそう言われます。どうしてなのでしょうね?)
オリジナルに取り組んだ後、またリプロに取り掛かると、改めて昔の人形職人の作り出した顔の素晴らしさを再確認します。
ブリュ、ジュモー、アーティー・・・本当に、存在感があり、けれど飽きの来ない最高の人形達です。
そんな最高の人形に、自分の味をミックスすることが出来る・・・そこが最大の魅力でしょうか。
今度作ろうと思っている人形のイメージは、少しやわらかい表情の子です。
写真に撮った後、目の辺りを大整形したので、もう少しモールドにするまでに時間がかかりそうですが、前回より、「ここはこうするのか・・・」と分かるようになった部分もあり、一つ一つ勉強するように作っています。
人形に関わる時間は、工程も大変ですが、それに代えられない楽しさがあります。