ここ数年は、年末年始も関係無く、人形を作っています。
今日は、顔描きの作業。
人形を作る工程の中で、どの作業も大切なのですが、顔描きは特に神経が磨り減ります。
大抵、アンティークの人形の顔を参考にしながら描いて行くのですが、写真集を見ながらイメージに近いお手本を探していると、いつの間にか本来の目的を忘れて、表情だけでなく衣装や細部にみとれていたりで、気付かないうちに時間が経ってしまうことはしょっちゅうです。
リプロの人形を作る場合、睫毛は細く長く綺麗に揃っていることが良いと思われていますが、実際に写真集を見ていて私が心惹かれるのは、睫毛の太さもまばらで、アイカットも、一目みただけで明らかに左右大きさが違うものだったりします。
なぜかいつも印象に残るのは、綺麗なメークの人形よりも、そんな大雑把な人形・・・(やっぱり私自身が大雑把な人間なので、正当化しようとしているのでしょうか・・・(恥))。
いや、昔の人形は、大雑把というよりも、左右対称に仕上げることにそんなに執着していない、と言うべきかもしれません
そもそも人間の顔は、左右対称ではないのですからね。
そもそも人間の顔は、左右対称ではないのですからね。
バランスを崩しているからこそ、個性を感じる・・・敢えて既成のお人形さんらしくない人形。
いつか街角で見た女の子や、小さい頃に時々遊んだあの子・・・そんなデジャヴを感じさせる人形が、どうしても胸に迫ってくるのです。
1度目の顔描きを終え、人形の頭を7つ窯に入れた後は、のんびりと小物作り。
「何かが足りない・・・。」と思っていたスタイナーのために、小さな巾着を作ってみました。
中には綿と、京都の鳩居堂で買った御香が入っています。スタイナーの顔が、ずっとやわらかくなりました。