今年も院展に行って来ました。
もう、何度めになるでしょうか・・・?母が日本画が好きだったので、いつからか一緒に行くようになりました。
そのうちに、出品されている何人かの画家の方とも知り合いになり、年に一度作品を見せていただくのも楽しみになりました。
関西では、京都市美術館と心斎橋大丸に巡回するのですが、大丸だとどうしても、絵の大きさに対して会場が小さくせせこましいので、大体は京都へ出かけます。
京都市美術館は、建物もレトロで美しいのです。
院展で、最初に好きになったのは、水谷愛子さんの作品だったと思います。
まず目に飛び込んでくるのは、あたたかなその色彩ですが、その中に描かれていた小さな子供の、なんとも言えないあどけなさ、やわらかで無垢な雰囲気は、水谷さん独特の世界でした。
残念ながら、数年前に水谷さんも亡くなりましたが、それと重なるようにその頃から惹き込まれてしまう若手の作家さんがいます。
彼女の名前は宮北千織さん。最近は、宮北さんの作品がなんといっても一番の楽しみで・・・。
その画風は(私が今まで目にする機会があった院展の作品は)、オレンジ色が主体となっています。そして、そのオレンジのトーンの中に、いつも無数の色で描かれた細やかなもの(これが特に好きなのです)が散りばめられていて、優しい面差しの女性が描かれています。
彼女の絵の前に立つと、いつも心が湧き立ちます。
ぱぁーっと明るい光が差し込んできて、ときめきます。
私の好きなものが、詰め込まれている世界・・・でしょうか。
そして今回もう一つ、心を強く捉えた作品がありました。
作者は東儀恭子さんという方。タッチはもちろんですが、とにかくその独特の感性が素敵です。
これからの私にとっての注目株ですね。
今年の院展を見て思ったのは、宮北さんっぽい作品が何枚か目に付いたこと。
でも、それらはやっぱり、「っぽい」のであって、なんだか違う気がしました。少なくとも、私の琴線には引っかからない。
どんな作家さんの作品を見ても、どこか心惹かれるものに共通しているのは、個性があるということ。
その人らしさです。
作品が好きでも嫌いでも、印象に残るのはやはり、オリジナリティーのあるものです。
私もがんばろう・・・と分野は違うけれど、こっそり思うのでした。