このところ、就寝前に開くのが楽しくて仕方ないのが、この本。
「紅茶を受皿に」 小野二郎 晶文社
前から読みたいと思いつつ、やっと手に取りました。
小野二郎といえば、モリス研究で有名ですね。
モリスの「世界のかなたの森」は、古き佳き美しい書物ですが
その翻訳も手がけた人。
副題が「イギリス民衆芸術覚書」というだけあって、
英国好きにはツボ満載の読み物なのですよ。
例えば、イギリス料理の本には、ルバーブという野菜がよく登場しますが
それには、こんな理由が。
1800年代のイギリスでは、生野菜は贅沢品で、
人々が生野菜を食べる習慣が無かったそう。
当然、食物繊維が不足する訳ですが、
ルバーブとは漢方での大黄(緩下剤)であるので
いろんな料理に用いられていたということです。
「下剤をパイにして食べるというと、何だかわびしいが、少量で新鮮な
グリーン・ヴェジタブルの役割をするというわけだろう。」
ちなみに、このくだりは第一章の「ビートン夫人の料理術(!)」より。
1800年代中ごろに出版されたビートン夫人の、かの有名な家政学の本は
現在も読み継がれているのですが、
一度機会があれば是非、中を見てみたいもの・・・。
他にも、イングリッシュ・チンツや壁紙の歴史、ミュージックホール・・・
最終章はモリスと文学について、と
これは是非、紅茶を片手に読むべき本!
特にイングリッシュ・チンツについての章が、個人的には楽しみでもあり・・・。
まだ途中ですが、
これは、大変おすすめの本です。
(絶版なのが残念ですが、中古で手に入りますよ。)
*
今日は久しぶりに雨の無い一日。
これからぐんと暑くなるそうで、しばらく家にこもっていよう・・・。
今日はジュモーの帽子作り。来週中には完成しそうです!