8/02/2013

紅茶を受皿で



このところ、就寝前に開くのが楽しくて仕方ないのが、この本。

「紅茶を受皿に」 小野二郎 晶文社







前から読みたいと思いつつ、やっと手に取りました。

小野二郎といえば、モリス研究で有名ですね。
モリスの「世界のかなたの森」は、古き佳き美しい書物ですが
その翻訳も手がけた人。

副題が「イギリス民衆芸術覚書」というだけあって、
英国好きにはツボ満載の読み物なのですよ。


例えば、イギリス料理の本には、ルバーブという野菜がよく登場しますが
それには、こんな理由が。

1800年代のイギリスでは、生野菜は贅沢品で、
人々が生野菜を食べる習慣が無かったそう。
当然、食物繊維が不足する訳ですが、
ルバーブとは漢方での大黄(緩下剤)であるので
いろんな料理に用いられていたということです。

下剤をパイにして食べるというと、何だかわびしいが、少量で新鮮な
グリーン・ヴェジタブルの役割をするというわけだろう。

ちなみに、このくだりは第一章の「ビートン夫人の料理術(!)」より。 

1800年代中ごろに出版されたビートン夫人の、かの有名な家政学の本は
現在も読み継がれているのですが、
一度機会があれば是非、中を見てみたいもの・・・。






他にも、イングリッシュ・チンツや壁紙の歴史、ミュージックホール・・・
最終章はモリスと文学について、と
これは是非、紅茶を片手に読むべき本!
 特にイングリッシュ・チンツについての章が、個人的には楽しみでもあり・・・。

まだ途中ですが、
これは、大変おすすめの本です。
(絶版なのが残念ですが、中古で手に入りますよ。)






今日は久しぶりに雨の無い一日。
これからぐんと暑くなるそうで、しばらく家にこもっていよう・・・。

今日はジュモーの帽子作り。来週中には完成しそうです!