12/27/2010

聖夜を過ぎた贈り物



 「静かな静かなイブです。 田舎の星空もしっかりと興を添えています・・・」

目の前に浮かぶのは、素朴で、限りなく澄みきった空気に包まれた、美しい風景。

手紙の送り主は、先日のクリスマス会にご参加下さった、
画家・Fさんのお母様です。

お母様とは、Fさんの大阪大丸での個展で初めてお会いしました。 
お母様がギャラリーにいらっしゃるとはつゆ知らず、
たくさんFさんとお話させていただいた後、
帰り際に、急いで追いかけて来られ、
両手に包まれた,
郷里の最中を持たせて下さったお姿を見て、
即座に感じ取られたのは、ただただ温かい、そのお人柄でした。

その後、滋賀での展覧会に来ていただいた時にも、
こちらの緊張の糸が、すぐさまほどけてしまうようないっぱいの笑顔!
あれからもう、古くからのお付き合いのような気がしてしまっていました。

息子を思う母の心と
我が家を気遣って下さる、これもまた母性を感ぜずにはいられない
温もりのメッセージ。

1日遅れの聖夜に届いた、
言の葉の贈り物・・・。


そして、夕方に届いた箱の中には、野菜がいっぱい!
こちらも、私が叔母さんのように慕うIさんからです。



葉っぱのついた大きな人参、
店先では見たことの無いような柔らかそうなブロッコリ、
千枚漬けにおあつらえ向きの蕪・・・、
紫キャベツを一玉なんて、これでお正月に、林檎と豚肉の塊を煮よう!

Iさんも、実は昨年の展覧会で、私は初めてお会いしましたが、
母とは古い出会いがありました。
運命の悪戯で再会し、その後、やや(!?)トウの立った箱入り娘である母と私を
慈愛に満ちた厳しさで、見守って下さる大切な方です。

ダンボールの隅に落ちた葉も、なんだか愛おしくて
洗いもせずに口に入れると、噛む程に広がる強い風味と甘さ。

この野菜も、いただいたお手紙も、
通い合う温かさがあります。
そして、そんな心を持った友人と呼べる人が回りにたくさんいることを
心より有り難く思うのです。

誰でもきっと、誰かのサンタクロースになれるのでしょう。
来年は、私もたくさんの人のサンタになれますように・・・。
我が家はいまだ、嬉しい聖夜が続いております。