日曜日は、昨年に引き続き今年も大丸で3人展をされている、Oさんの展覧会に出かけて来ました。
前回は、思いがけない絵と出会い、胸がいっぱいになってしまいました。 そう、こんな早春の日でした。
新しく生まれた絵と、作者であるOさんにお会いできるのを ただ楽しみに・・・。
Oさんの絵の、派手さや華やかさとはかけ離れたその画風は、一見すると、地味かもしれません。
けれど、ずっと見つめていると、静けさの中に ゆっくりと仄かな明かりが浮かび上がったり、小さな種に 生命の宿りの息づきを感じたり・・・・・・やさしさで満ちた世界です。
今回は、オブジェも3つ置かれていました。
鉄製の古びたバスケットに、見過ごしてしまうかのような糸が結び付けてあり、その中に小さな木片に描かれた作品が入っていました。
お聞きすると、鉄はお父様、糸はお母様のお仕事に深い結びつきがあるそうで、小さい頃からご両親の働く姿を目に焼き付けて来られたOさんの、ご両親へのオマージュなのでしょうね。
どれも、深い深い作品でした・・・。
そして、また素晴らしいのが、Oさんのお人柄です。
あれだけ楽しく朗らかに、来場者をもてなす方は、そうそういません。
細やかな気遣いに溢れた、温かい方なのです。そしてその姿勢は、作品にも表れています。
芸術に携わる方々の作品で、心から感嘆させられるものに共通するのは、作者の人柄のような気がします。
絵でも音楽でも・・・。
それは、無意識のうちに、表現に反映されてしまうのでしょうか。
「傍若無人な態度をとっていいのは、極々一部の天才だけ。そんな人、まず滅多にいない。」
シニカルに笑いながら、パートナーは常々このセリフを口にしますが、本当にそう感じます。(けれど、「(自称)アーティスト」とふんぞり返っている人の、なんと多いこと・・・。)
なかなか良いものに出会えない昨今、寂しく思うとともに、自身も、常にちゃんと人形と向き合おう・・・と反省します。
ふと見つけたDMに心惹かれ、金曜日にリーガロイヤルの帰りに、時々覗く青山ビルのギャラリーでの展覧会によりました。
DMで受けた直感通り、そこには 私の大好きな世界がありました・・・。
バルテュスや有元利夫に通じる、どこか不思議で懐かしいような、とても雰囲気のある作品達。そして、流れる空気。
ミヤザキトモハルさんとおっしゃる作家の方は、なんと我が家のご近所在住ということで、新しい出会いに嬉しい1日!
お気に入りの1枚も見つけ、しばらくミヤザキさんと楽しくお話ししました。
帰り道の電車の中、「もう1度ゆっくり作品を見たかったなぁ・・・」と後悔の気持ちがムクムクと・・・。
次の日が最終でなければ、もう1日出かけたい、心にぴったりくる展覧会でした。
文学も絵画も、何故かシュールさのあるものに惹かれるのは、高校生の頃から全く変わらないなぁ・・・と、あれから倍の年数を生きていることが嘘のように、ふふふと笑いのこぼれた 春の雨の日。