6/17/2009

人形が結んだ出会い その1






  先日お嫁入りした、オレンジ色のブリュですが、お迎えいただいたFさまから、お写真を送っていただきました!

Fさまお気に入りのお人形とともに写していただいたそうですが、なんて可愛いお人形をお持ちなんだろう!と、自分の作ったブリュそっちのけで、すっかり夢中で見入ってしまいました。
・・・そして、しばらくしてブリュに気付いて・・・まぁ、そっくり返って偉そうな態度!
我が家にいた時は、とてもおとなしそうな顔をしていたのに、随分Fさま宅は、居心地のいい様子(笑)。

 ちょうど1週間前、Fさまからブリュを迎えたいとメールをいただき、有り難い気持ちで梱包・発送。
無事到着のお知らせをいただき、いつもなら、新しいお宅のご家族さまと人形の幸せを祈りつつ、また日常に戻るのですが、今回はちょっとオドロキの展開が有りました。

Fさまのお住まいは、自然の溢れる山合いの土地・・・ということですが、現在のお住まいに移られる前に、10年程、滋賀の伊吹山の麓に暮らしていらっしゃったのです。
私のブログを見て、ご連絡を下さりました。

我が家の最近の小旅行といえば、滋賀でももっぱら伊吹山が定着し、心の中では、「第2の我が家」とまで思っていた大好きな場所。Fさまは今は他府県にいらっしゃいますが、よりにもよって、伊吹にいらっしゃったなんて! 本当にびっくりでした・・・。

私にとっては、人形が結んだ特別なご縁のような気がしてならなくて・・・お仕事でお忙しいFさまに、厚かましいメールを送っては、いつも丁寧なお返事をいただいくのです。

Fさまのメールには、伊吹で生活されていた頃の、素晴らしい自然の様子が満載で、一人で静かに読んでいると、まるで自分がそこにいるかのように感じられて、心が言いようもないもので、いっぱいになります。 
 そう、ちょうど伊吹で満天の星空を仰いだ時のような気持ちです。

Fさまのメールより・・・

 「私の診療所があったところは 水路にはさまれていましたので庭に蛍が乱舞していました。
蛍は成虫になって しばらくすると 求愛行動で メスのまわりにオスがたくさん集まり 高く高く舞い飛びます。特に雨の前のむっとする夜10時過ぎがたくさん飛びます。
それが何十匹も何百匹も 集まると 本当に素晴らしいです。
蛍は今はどこでも以前より見られるようになりましたが、あんなにたくさんの蛍が見られるところはありません。」


どうして、これだけ心が感じるのか・・・、よく分かりません。

私の生活の中に蛍はいませんが、それに変わる素晴らしいものもたくさんあるはずなのに、何もかもを当たり前のように思い・・・・・・そんな反省の念。それとやはり、今はほとんど失われつつあるものが、健気に残っている場所があるということに、胸が熱くなります。

そして、場所は違えど、今も自然の中で送られる毎日について、こうもおっしゃっています。

 「今は、インターネットが普及し 欲しい本もお菓子もこんな田舎に住んでいてもすぐに手に入ります、どんな情報も都会と同じように得られます。
毎日の四季の移り変わりを身体で感じられる環境は幸せです。
朝、鶯の声で目覚め、外を歩けば草の香りに初夏を感じます。
人々もやさしく みんな知らない人にも挨拶してくれますし、仕事から帰れば 玄関先に野菜がそっと置いてあります。
ある意味 食生活がとても贅沢になりました、採りたての野菜、旬の山菜、鮎、あまご、生みたての卵!」

私一人で読むには、とてももったいない気がして、ご紹介させていただきました。
こんなふうに、日々を感謝の気持ちで送ることは、どこにいても必ず出来るはずですね。

私に欠けているものを、人形が橋渡しして届けてくれたような、豊かな出会いでした・・・。

少し前までは、海外ばかりに目が行って、日本の良さなんて見えていなかったのですが、ここ数年は、海外よりも、自分の生まれ育った日本をもっと知りたいなぁ・・・と思います。
そして、今もどこかで変わらずに残っている、自然の中の暮らしを肌で感じたいです。

もちろん、人形を作り続けながら・・・ですが!