クレー展の後は、メインイベントである文楽劇場へ。
数年前に義経千本桜が企画された時は早々にチケットも購入し
平家物語を読んだりしつつ楽しみにしていたのですが、
生憎コロナで中止となりました。
当時は本当に残念で・・・
そういった経緯もあり、特別な気持ちで臨んだ公演でした。
お昼の部と夜の部を、長丁場ゆえに二日間に分けて観賞。
古くから続く文楽という文化の魅力を再確認した二日間。
初めて文楽に出かけた時は、太夫・三味線・人形だけでなく
字幕にイヤホンガイドもあり、いつもあちこちときょろきょろして
情報量の多さにパニックになるようなところがありました。
しかも、演者の皆さんそれぞれの表情も気になって・・・
目も耳もフル回転で、ストーリーを追うのにも必死だったのです。
そのうちに、会場の雰囲気にも慣れてきて
庶民の文化なのだから、もっとノンビリしていいんだ!という気になり。
また、読み漁った文楽本の中の勘十郎さんの言葉に
「耳で聴けるものは耳で聴いて下さい。字幕は見なくても、話の筋は感じ取れます。
なので、目は人形に集中して下さい。」とありました。
やや人形贔屓?な感もありますが、妙に納得してその通りにしてみると、
今まで混雑していたものがスッキリとしてきたのです。
そうは言いつつも、時折は太夫さんの表情も気になるし、
三味線を眺めながら、ばちさばきにも感じ入りたい。
基本は、リラックスして舞台を楽しめばいいのだと分かってから
本当に文楽が楽しくなりました。
昼の部では、パートナーはいがみの権太に泣き、
夜の部では舞台を駆け回る狐に心躍らされ、
興奮冷めやらぬとはこのことで、
今もふと、あの時が夢の中のことだったように感じているのです。
この先の演目も楽しみ。
次回は秋公演かな。
その為にも、日々の仕事を頑張ろうと思うのでした。