1/30/2009

憧れのぽっくり







 「いちまさんにぽっくりを履かせたら、どんなに可愛いだろう・・・!」


人形を作り始めた頃は、小さな足袋を履かせただけで十分満足していたはずだったのに、人形に向かう時間が長くなるほどに、次々といろんな願望がむくむくと湧き出てくるものです。

そんな、ちっぽけに見えるけれども、密かに熱い想いを叶えてくれるのは、やはり人との縁だったりします。



初めてW氏の工房にお邪魔した一昨年の夏、市松人形の筥迫とともに、「もしかしたら・・・」と、ぽっくりのことも相談してみました。

すると奥から、
「僕の先生の形見なんです。」と出してこられた箱の中には、なんと可愛らしいぽっくり達が!
大きさも、まさに人形サイズ!ただただ、見とれるばかりでした・・・。


その大切な思い出深いものを先日、今回の展覧会のお祝いに・・・と、中でも一番良いものを選んで、一つ分けて下さいました。

(もらっていいのだろうか・・・大切な形見を、私なんかが・・・・・・)そう心では逡巡しながらも、両手はしっかりと差し出していた私(恥)。


この可愛らしいぽっくりは、職人さんが手がけられた(そしてその小ささゆえに職人泣かせだったという)、縮緬の鼻緒がつけられていて、W氏によって描かれた金の梅の花が、なんとも古めかしい華やかさを醸し出しています。

そして裏に返して見ると、対の証である「に」の文字が・・・こういうところが、本当に素朴で愛らしいですね。


早速、ちょうどのサイズの人形に履かせてパチリ。
嬉しくて、誇らしげに少し胸を張ったいちまさん。足袋は今日縫ってやります。



1/22/2009

HPのリニューアル




 最近は、ほとんどこのブログを更新するのみなのですが、「本家ホームページの方にも、展覧会の案内をトップページに載せた方が良いのでは?」という父からの再三のアドバイスもあり、今日は久しぶりに自分のホームページを覗いてみました(恥)。

あっちこっちに、やりかけでほったらかし・・・というページがあり、自分のいい加減さに分かってはいたけど呆れるばかり・・・。

本人ですらこんな有様なので、わざわざお伝えするまでも無いのかもしれませんが、数日間リニューアルのため、HPの方は各ページにアクセス出来なくなります。久しぶりに、整理整頓・更新いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1/15/2009

偶然の再会

 人は、成人するまでも、した後も、たくさんの先生に出会います。

けれど、月日が経って行くに連れて、会いたくてもなかなかその機会の無いのは、子供の頃に教わった先生。

卒業後に積極的に連絡を取り合っているので無い限り、今どこで教鞭をとっていらっしゃるのか、または引退されてどうしていらっしゃるのかは、分かりません。

小さな子供の頃は、自分が学校を卒業することが、そんな縁からもフェードアウトして行ってしまうことにも気付かないまま、新しい環境への期待と不安だけを胸に、去って行ってしまった気がします。

私は、活発からはほど遠く、いつも空想に耽っている生徒でした。
授業中も、「ぼ~っとしている!」と注意され、しかもぼ~っとしているので注意されていることにも気付かず、はっと気が付いたらクラスメートがみんなこちらを見て笑っていたという事も、何度もありました。

そんな生徒だったこともあってか、心のキャッチボールが出来たと思える先生は、長い学生生活の中で、ほんの数人しかいません。そして、今そのわずかな先生方がどうしていらっしゃるかは、知る由もないのです・・・。


今日、老松町まで、毎年出かけている日本画展に出かけて来ました。

ギャラリーには、私と母と、他に1人の男性が絵を鑑賞していました。

ギャラリーのオーナーが、お茶を出して下さったので、私たち三人は同じ席でご一緒することになり、男性とギャラリーオーナーの会話から、私たちも時々出かけるギャラリーで個展をされ、さらに同じH市に住んでいるということが分かりました。

男性が差し出して下さった名刺を見て、ビックリしながらも、叫びました!

「N先生!私のこと、覚えていますか!?」

なんと、私の中学1年生の時の担任の先生だったのです!

「いやぁ、どこか見覚えのある方だと思っていました!」

いやはや、26年ぶりの再会でした。

先生があまりにも若々しかったので、私は名刺を見るまでは全く気付かなかったのです。

その後は、当時でさえ、こんなに先生と会話をしたことが無かったくらい、お互いの近況を賑やかに報告し合い、先生の(美術の先生だったのです)絵の写真を見せていただいたり、私の人形を見ていただいたりで、26年の長い歳月があっという間に埋まってしまうような、心が温まる時間を過ごしました。

「今、立派に成長され、こうやって同じ芸術の世界にいることがとても嬉しい。」と先生はおっしゃって下さいました。

ギャラリーの外で、いつまでも帰られる後ろ姿を見送っていると、角を曲がる時に、先生が振り返って下さいました。
・・・そう、当時からそんな先生でした。

私の欠点には一つも触れずに、良いところだけを探してほめてくださったことは、今も忘れられません。
どの生徒にも平等に接し、機嫌の悪い姿を見せることは一度もありませんでした。
そして、先生のその姿勢は今も変わることもなく、歳だけは大人になった私を、ただ、嬉しそうに見つめていらっしゃいました。

N先生は、私と心のキャッチボールをして下さった、数少ない先生のうちの一人です。

「展覧会には、必ず行きます!」

先生の言葉を胸に、また人形に向かう気持ちが新しくなりました・・・。

1/09/2009

30代最後の・・・




 実は、昨日は誕生日でした。


もうこの年になると、誕生日の到来ほど忌まわしいものはありません。が、やっぱり「おめでとう」とは言われたい、複雑で子供じみた気持ちになる日でもあります。
その言葉を朝一番にくれたのは、冬休み明けの学校に行く前の娘。いつの間に用意したのか、プレゼントのエプロンを抱えて・・・。

生成り地に赤い小花を散らしたそれは、きっと娘が 「これならママ好み!」と思って選んだのでしょう、渡す前に、急いで値札がついていないか確認して(昨年はセール値札が付いていた・・・)いました(笑)。
今年はこのエプロンをして、たくさんお菓子作るね♪

そして、家族をはじめ、心温まる誕生日プレゼントをたくさんいただきました。この場を借りて、お礼申し上げます(ペコリ)。

 我が家では最近は誕生日といっても、娘の誕生日以外は特に夕食にご馳走が並ぶことはありません。

その日も鰯の煮付けなど、ごくごく普通の夕食を用意して食卓に並べていた時、何を思ったか、突然一生懸命ミニトマトを切り始める母。その上に、冷蔵庫にあったモツァレラチーズをのせて見せて、「一品くらい、誕生日メニューをな!」と、人懐っこい笑顔・・・あ、ありがとう・・・。すごく誕生日らしくなったわ・・・。
鰯とモツァレラトマトを食べ、赤ワインを飲みながら、誕生日の夜は賑やかに更けていきました。

けれど思い返せ、ばその日一番キツかったのは、父の「39か・・・サンキューやな!来年は40か・・・。」というおやじギャグ交じりの言葉だったかな(涙)。

画像は今年の年賀状です。
まだインテリア雑貨を作っていた30そこそこの頃、ある方から、「貴女が40歳になった頃、どんなものを作っているか、見てみたい。」と言われたことがありました。
その時から、私にとって40は特別な年齢になったのですが、この1年、人形にしっかりと励み、来年の誕生日を迎える頃には、今に無い何かを攫んでいたいと思います。




1/02/2009

セラフィンのセーター

   大晦日と元旦の夜に編み上げた、愛犬セラフィンの散歩用セーター。今年の初仕事?です。
贅沢にも、野呂英作のシルク混の残り糸を使ったこのセーター、昨年パートナーに編んだマフラーとお揃いです。(パートナーは、今からお揃いで散歩に行くのを、楽しみにしています 笑)
野呂英作の糸は、グラデーションになっているものが多いのですが、時々、突拍子も無く派手な色が出てくるのが特徴。
けれど、色違いの2種類の糸を、2段ずつ交互に縞に編んでいくと、派手さも気にならないカジュアルなものが出来上がります。
2種の色の偶然の組み合わせが、編んでいても新鮮で、手もどんどん進みます。
セラフィンの糸は、野呂糸にしては地味目だったのですが、それでも楽しいグラデーションが出ました。
でも、どうしても男の子に見えますね・・・セラフィン、実はお嬢さんです。
今日はこのセーターで、大好きな公園へ、初散歩!

1/01/2009

今年もよろしくお願いいたします。



 大晦日の夜、ふと思いついて愛犬セラフィンのセーターを編み出しました。(元旦の今夜も編むことになりそうです。)

途中まで編んだところで、サイズ合わせ。似合ってるかしら?
今年もよろしくお願いいたします。